安倍晋三首相が参院選に向けた全国遊説で、悲願の憲法改正への言及を避けている。賛否が割れる改憲に重点を置かず、アベノミクスによる景気回復の是非に焦点を当てたほうが有利との判断とみられる。ただ、参院選後に改憲論議が加速する可能性は否定できず、野党は「争点隠しだ」と批判を強めている。【飼手勇介、朝日弘行】 「アベノミクスは決して失敗していない。デフレから脱却し、国民をさらに豊かにしていく」。首相は10日、奈良、三重両県で街頭演説し、雇用改善などの「成果」の説明に多くの時間を割いた。マイクを握った約2時間で憲法改正には一度も触れなかった。政府関係者は「自民党は憲法改正が党是だ。演説でわざわざ言う必要はない」と話す。 自民、公明両党が発表した参院選公約でも、憲法改正の争点化を避ける姿勢は鮮明だ。自民の憲法改正についての記述は全26ページのうち末尾の2項目のみ。「衆参の憲法審査会で議論を進め、各党
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