「青鞜」創刊の地のマンション騒動(1/3) <本郷区駒込林町九番地>。明治44(1911)年10月、日本初の女性の、女性による、女性のための雑誌「青鞜」が発刊された歴史的な場所である。 当時は、同人の一人、物集和子の家であった。「青鞜」は女性解放に貢献した雑誌として名高く、主宰者・平塚らいてうの名はほとんどの高校の歴史教科書に載っている。 そこが、どういう経緯でか電電公社の敷地となり、NTT駒込電話局となって住民に親しまれてきた。いまそこの東京都文京区千駄木5丁目9番地、209番地には、表側9階建て、裏側6階建て、高さ27メートル、幅68メートル、110戸ほどの高層マンションが計画され、基礎工事が進められている。 その裏は静かな低層住宅地。高村光太郎や宮本百合子をはじめ多くの文化人、学者たちが住んだ町である。住宅地の奥まで鉤の手に買い足し、NTTの間口ぶん大通りに面しているのでかなり