浅田彰「セゾン文化を継ぐ者は誰か」 http://www.kojinkaratani.com/criticalspace/old/special/asada/voice9903.html <去る2月、セゾン美術館が閉館した。セゾン美術館の前身である西武美術館が開館した1975年は、堤清二のもとで西武グループの文化戦略が本格化した年でもある。それから四半世紀にわたって時代をリードしてきた西武/セゾン文化が、ついに中核のひとつを失う。感慨深い出来事である>。 <それまで、デパートの文化事業といえば、売り場の片隅で「泰西名画展」のたぐいを開くのが精々だった。ところが、西武/セゾン美術館は、内外の現代美術を積極的に紹介していったのである。世界の流れから取り残された公共の美術館を尻目に、それは一時期には同時代の世界に開かれた日本最大の窓として機能したのだった。同じことは、劇場・映画館・ホール・出版社