“Winner-Takes-All”(勝者総取り)と評されるITビジネスの世界。日本での圧倒的なトップに立ち、GAFAなどの海外勢に対抗するため、ヤフーとLINEが経営統合へかじを切りました。日本のネットビジネス史上、最大規模のM&A(企業の買収や合併)となりそうですが、実現に向けた関門となるのが公正取引委員会による審査です。公正取引員会は、巨大IT企業がデジタル時代に利益を生み出す源泉となる「データ」を独占的に扱うことを問題視し、いままさに独占禁止法の厳格な運用に乗り出そうとしています。審査の行方は、今後のネットビジネスのM&Aの試金石となるだけでなく、日々データを生み出し企業に提供する形になっているわれわれ消費者にとっても決して無関係ではありません。(経済部記者 宮本雄太郎) 「慎重な判断が必要になる」 ヤフー・LINEの経営統合の発表から2日後、公正取引委員会の山田昭典事務総長は会見