【ニューヨーク=平田雄介】南米で唯一、台湾と外交関係を持つパラグアイで大統領選が30日に実施される。台湾との関係維持を訴える与党候補と中国との国交樹立を打ち出す野党候補が争う展開。中国重視に傾く背景には経済状況の改善を求める有権者の声があるとみられ、選挙の結果次第でパラグアイが台湾断交に向かう可能性がある。 選挙は再選禁止規定による現職ベニテス大統領の退任に伴うもの。12人が立候補し、ベニテス氏の後継で与党コロラド党のサンティアゴ・ペニャ元財務相(44)と、野党連合候補のエフライン・アレグレ元公共事業・通信相(60)の事実上の一騎打ちの構図。直近の世論調査によると、支持率38・2%のアレグレ氏が首位で、36・1%のペニャ氏が僅差で追う。 アレグレ氏は1月、「台湾との関係から十分なものを得ているとは思わない」と語り、大豆や食肉などパラグアイの主要産品の輸出のために「中国と国交を結ばねばならな