厳格な新型コロナウイルス規制のない中国の夏は4年ぶりだ。北京の紫禁城のような観光名所の入場券は数分で売り切れる。街頭には人々があふれ、地下鉄の駅はいつも以上に混雑している。だが、外国人観光客は少ない。 多くの外国人にとって、中国はちょっと行きづらい。これまで見られていた閑散とした通りやバリケードで囲まれた建物のイメージは、休暇のパンフレットや観光キャンペーンの素材にはなりにくい。ビザ(査証)取得の手間や旅客便数の少なさ、特異な決済システム、言語の壁も、北米や欧州などからの観光客にとって中国の魅力を損ねている。 北京でツアーガイドをしているジェイ・リーさんは「最近、紫禁城に行って20人か30人の外国人を見かけたらすごいこと」だと言う。「ほとんどの外国人はビジネス目的で中国を訪れ、少し観光する程度で、観光客はその20%程度」とみているためだ。 新型コロナのパンデミック(世界的大流行)前、中国に