岐阜市は絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト「レッドリスト」を初めて作成し、アユを「準絶滅危惧」に選定した。アユは鵜飼(うか)い漁などで、岐阜市を流れる長良川のシンボルだが、野生生物としては、存続の基盤が弱く、生息環境の変化によっては、絶滅危惧に移行するという位置づけだ。4月中にも市のホームページでリストを公表する。 アユは川で産卵し、孵化(ふか)した仔魚(しぎょ)は海まで下って沿岸域で成長し、再び川を遡上(そじょう)する。その生活サイクルが、河口から5・4キロに1995年に完成した河口堰(かこうぜき)によって阻害されていると専門家は指摘する。 リストの作成で魚類を担当した岐阜大学の向井貴彦准教授(魚類生態学)は今回の選定について、「アユだけを特別視したわけではない」と強調する。2009年度から5年間の自然環境基礎調査で市内の魚類の分布状況は網羅され、その結果をもとに、生態や放流、開発の