欧州宇宙機関(ESA)の金星探査機ビーナスエクスプレスによる観測で、金星の大気中で雷の発生を確認したと米カリフォルニア大などの研究チームが29日付の英科学誌ネーチャーに発表した。 天体で雷の存在が確認されたのは、地球、木星、土星に続いて4例目。太古の地球では雷の放電が生命誕生のきっかけになったとする説もある。 チームによると、2006年4月に金星の周回軌道に入ったビーナスエクスプレスに搭載された磁気探知機が、雷放電に伴う特殊な波形の電磁気を観測した。水蒸気の雲で発生する地球の雷とは違い、硫酸の雲で発生しているとみられる。 金星の雷は1970年代に旧ソ連の探査機が放電のような現象を確認して以来、存在の有無をめぐって論争が続いてきた。雷による放電は大気中の化学物質の組成を変化させる働きがあり、金星の気候の解明に役立つという。 日本は2010年に金星探査機プラネットCの打ち上げを計画している。(