2015年は世界中のメディアが難民とテロのニュースで溢れた年でした。この二つのキーワードには深い関係があります。テロも難民も、横暴な政府や統治の崩壊といった国内の病弊から生まれ、周辺国の安定や安全に影響を及ぼします。テロは国家ほど強くない集団が恐怖を呼び起こすための戦略であり、起きてしまえば妥協は不可能です。 対して、難民は豊かな生活を送っている社会に対して突き付けられる具体的な悲劇を体現する存在です。そこで、人道的見地からは難民に対して援助の手を差し伸べることが求められるわけですが、十分な準備なしに場当たり的に対応してしまうと悲惨な結果を招くこともしばしばです。 なぜなら、難民に対する人道的見地を強調すればするほど、かえって社会の中に反発を生む構造が存在するからです。ある者は、既得権を害されたとして狭量さを剥き出しにし、またある者は政治的な利害計算のために当たり前の正義に目をつむるように
![難民問題の教訓 - 山猫日記](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/241a31c9aef74fa79167db54d076256059611227/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2FL%2FLMIURA%2F20160213%2F20160213121757.jpg)