ふつーのプログラマです。主に企業内Webシステムの要件定義から保守まで何でもやってる、ふつーのプログラマです。 「亀井くん、辞めちゃったねえ」磯貝課長はつぶやいた。「もうちょっと残ってくれたらよかったのに」 「そうですね」あたしは無難に応じた。 2月4日、月曜日。新勤怠管理システムのカットオーバーの日だった。2月中は旧システムと並行稼働の予定だったけど、1つの区切りには違いない。 あたしと磯貝課長は、臨時開発室の現状復帰作業の最中だった。ホライゾンチームが撤収した後も、カットオーバーまではそのまま維持されていたが、昨日、ファシリティ課から復元を命じられたのだ。明日からは、会議室としての本来の役割に戻る。 「ずいぶん引き留めたんだけどね。もう決めたって言うばかりでね。理由もはっきり言わなかったし。日比野くん、何か聞いてたりした?」 「いえ、特には」 デモのときの亀井くんのプチテロ行為は、結局