武塙(たけはな)麻衣子・著 (書肆侃侃房(しょしかんかんぼう)・1650円) 客室乗務員、英語講師などを経て作家となった著者が2023、24年に出した私家版の好評を受け、書籍化されたエッセー集だ。東京、横浜を中心にした、庶民的な飲み屋の名店が舞台となっている。 40軒で供される料理と酒が淡々とだが、実にうまそうに描かれる。店主や常連とのなにげない会話、居心地のよい空気が伝わる文章を追っているうち、そ…
小倉北区の旦過市場を襲った2度目の大規模火災から10日で2年。約100年の歴史がある老舗「赤壁酒店」は、8月末にもアーケード通り沿いにある現店舗での営業を終え、仮設店舗「旦過青空市場」に移る予定だ。市場の再整備事業により近く建物が解体されるためだが、市場南側に新設される複合商業施設に入居するかは未定という。【山下智恵】
「人生観が変わるよ」。初めてのふなずし飯漬け体験で訪れた琵琶湖に浮かぶ沖島(滋賀県近江八幡市沖島町)で、一緒に参加していた三日月大造知事から声を掛けられた。食べることが何より好きな私。その言葉でワクワクが倍増した。【飯塚りりん】 ふなずしは琵琶湖で取られて塩漬けされた子持ちのニゴロブナなどの魚と米を漬け込み発酵させた県の郷土料理。食べたことはあったが「酸っぱくて……」とあいまいな印象しか残っていなかった。人生観を変えるまではいかないまでも、おいしいふなずしを食べたいというのが体験参加の動機だった。 最初の作業は塩漬けされたふなを「磨く」こと。魚料理では耳慣れないが、まさに言葉通りだった。 ふなの腹の中までぎっしり入り込んだ塩をえらの間から洗い流す。腹の中に残された卵まで流してしまわないことが肝心。次はたわしを使ってふなの表面をこすった。皮がむけないような絶妙な力加減が必要で、小さな子供の手
「周りの人たちに支えられてお店が実現しました」と笑顔で話す久語幸紀さん=兵庫県加西市東笠原町の北条鉄道法華口駅で、村元展也撮影 関西初、兵庫・加西へ「のれん分け」 北条鉄道・法華口駅(兵庫県加西市)の駅舎に15日、福岡生まれのホットドッグスタイルのハンバーガー店がオープンする。兵庫県小野市の主婦、久語幸紀(くごゆき)さん(52)が現地で食べた感動を忘れられず、秘伝を教えてもらって店を出すことにした。このバーガーを愛する人が「のれん分け」で開いた店は関西では初めて。【村元展也】 屋号は「今屋のハンバーガー」。福岡市中央区・西公園の一角で移動販売車内で今崎勝美さん(78)が手作りする。この道一筋50年。最初はホットドッグ店だったが、コッペパンにハンバーグをはさむ独自の「ハンバーガー」を生み出した。手作りの素朴な味わいと今崎さんの気さくな人柄で定着し、「福岡のソウルフード」とも呼ばれる。
閉店後の屋台前で因幡堂の愛犬ラッシュと一緒に写真に納まる二郎さん。因幡堂の大釜諦順住職の妻、眞照さんが撮影した=京都市下京区で2010年5月22日午前(因幡堂提供) かつてその場所には、60年以上続いた屋台があった。京都・四条烏丸の南東、「がん封じ」で知られる因幡堂平等寺(京都市下京区)の門前。その名も「いなば」。酒好きで人懐っこい店主、二郎さんを慕う常連客でにぎわい、二郎さんの没後は長男夫婦が営業を続けたが、1月に撤去された。現在は近くの店舗に移り、屋台は別の場所で保管されているという。撤去の経緯と屋台の今を追った。 取材のきっかけは因幡堂前の張り紙だった。撤去、移転の報告と謝意、屋台は常連有志が保管していることが癖のある手書きの文字でつづられていた。「おやじは何とかの一つ覚えのようにお店が大好きで、日曜以外はずっと行っていました」。移転先を訪ねると、長男の太郎さん(63、仮名)夫妻が笑
情報提供: 「♪割るならハイサワー♪」のCMでお馴染みの博水社から発売されているハイサワー。前回、絶品サワーレシピをご紹介してくださった博水社代表取締役社長の田中秀子さんに、ハイサワーの楽しみ方について聞いてみました。 ハイサワーの製造・販売元、博水社代表取締役社長、田中秀子さん。常に遊び心をもって、ハイサワーとお酒のシーンを盛り上げることを実践されています。 禁断のハイサワー+チキンラーメンレシピも!? ――ハイサワーにまつわるレシピはものすごく沢山あるとうかがっています。 田中秀子さん(以下:田中) 365日分のレシピをホームページに載せていますが、それは抜粋したものですからね(笑)。1000とかまではいかないと思うけど、かなりのレシピを持っているはずです。 もう明けても暮れても、ずっと「どうしたら美味しくハイサワーを飲めるだろうか」ということをスタッフ全員で考えているし、お取引先の居
コロナ禍で閉店した大阪の料亭「芝苑(しえん)」の亡き大(おお)女将(おかみ)が大事に持っていた「浪華百景」が復刻された、という記事を2日夕刊で書いた。復刻版の読者プレゼントに500通を超える応募があり、皆さん、ありがとうございました。 中にはメッセージを書き添えてくださる方があり、これを読むのが楽しみなんです。「最近の新聞は広告が多く、魅力が少なくなったように思っていました。それでも切り取っておきたい記事は時々あり、期待しています」という叱咤(しった)には、思わず背筋が伸びました。 芝苑の思い出をつづっている方が多く、「サンパウロに赴任時に送別会を開いてもらった」「銀行時代、芝苑さんを担当していた」「小唄のおさらい会でお邪魔した」等々、記憶に残るお店だったのがわかります。
昔から変わらない味と形で親しまれるJR函館線・森駅の駅弁「元祖 森名物いかめし」。それを製造販売する「阿部商店」の3代目社長に昨年就いた今井麻椰(まや)さん(30)は、スポーツ番組のリポーターとしても活躍している。共通点がなさそうに見える二足のわらじだが「根っこは同じ」という。「どちらも真剣。一生懸命にやり抜きたい」 レトロな赤い包み紙に四角い箱、ほのかに漂うタレの香ばしい匂い――。1903年創業の阿部商店が作る「いかめし」は、今年で発売80年になる超ロングセラー商品だ。半世紀以上前から百貨店の催事などで販売し、全国に名を知られる。
誰でも肩寄せ合えるたまり場、10月末でのれん ここ数年、仲間内の合言葉は「いつまでもあると思うな親とこばやし」だったが、ついにその日が来た。大阪・西九条の立ち飲み「こばやし」が10月31日、のれんをおろした。私は父を10月に亡くしたので、親とこばやしをいっぺんに失う羽目になった。こばやしへの感謝を込めて、思い出を書き留めておきたい。 オカンのシズエさんが常々言っていたことだが、この店が優しいのはいちげんさんと女性で、常連になればなるほど、扱いはぞんざいになる。15年前、立ち飲み屋巡りの連載の取材で訪ねたのが最初で、それからちょくちょく寄るようになり、気付けば最下層の常連になっていた。
「メリケンパーク、行くのがめんどくさい問題」「須磨浦山上遊園で昼酒」--。市のホームページに2017年から連載中の、歩きながら見えてきた神戸の街を描く異色エッセー「ごろごろ、神戸2」「ごろごろ、神戸3」。筆者で4年前に神戸に移住した写真家・文筆家の平民金子さん(43)が神戸の風景を撮りためた写真の展示と、新たに書き下ろした「ごろごろ、神戸。B面」を販売する初の個展が今月、神戸市垂水区のカフェで開かれている。【聞き手・栗田亨】
70年変わらぬ味 親子3代のファンも 店舗の白壁に赤い字で書かれた「味覚の王座」がキャッチフレーズの冷菓店は、神戸市東灘区の国道2号沿いの交差点角にある。レトロな雰囲気を残す人気店だ。 1947(昭和22)年創業。看板商品のアイスキャンディー(80〜120円)は、真夏のかき入れ時には1日1000本を完売する。砂糖と練乳が主原料で味は、ミルク金時、バナナ、ミルク、カルピスの4…
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く