底辺に向けた競争が始まった。期待外れの経済成長率に直面し、世界最大級の一部経済大国の政策立案者は、輸出主導の景気回復の引き金になることを期待して通貨切り下げに頼るようになっている。 最初が日本だった。日銀が2013年4月に大規模な資産購入プログラムに乗り出して以来、円は対ドルで20%強下落した。次がユーロ圏の番だった。欧州中央銀行(ECB)の金融緩和を受け、ユーロは過去1年で円と同じくらい下落した。 中国でさえ、昨年下半期に人民元の対ドルレート上昇を容認した後、ここへ来て静かに元安誘導を決めた可能性がある。 こうした動きの背後にある論理的根拠は、為替レートの低下は2つの点で国内生産者を後押しするという考えだ。まず、通貨安は輸入品価格を押し上げ、消費者が外国製品に見切りをつけて国産品に切り替えるようになる。次に、通貨下落は輸出品の相対価格を引き下げ、企業が国外で新規顧客を見つける助けになる、