パリだけではない。日本も潜在的に、イスラム国のターゲットになっている。日本のテロ対策は万全か。現役の警察庁外事情報部長で、『イスラム聖戦テロの脅威~日本はジハード主義と闘えるのか』の著者・松本光弘氏の分析をここに公開する。 日本は「滅ぼすべき対象」 「悪夢が始まる」――〈イスラム国〉の日本攻撃宣言(2015年1月)は記憶に新しい。〈アルカイダ〉も、かねてから日本への攻撃を明言している。彼らの主敵・米国と緊密な関係を結び、西側経済の一極を占めるわが国は格好のターゲットだ。 公共交通機関やインフラ施設、大規模イベントは守るのが難しいし、メディアや国際機関、米軍基地、多国籍企業なども狙われてきた。 日本のムスリム・コミュニティは新しく小規模であることを、安心材料とする見方もある。しかし、04年鉄道テロの舞台スペインでは、ムスリムの大多数が1990年以降に入ってきた。 ジハード(聖戦)主義者にとっ