9月29日、インド南東部テランガナ州のメダック県は、抗生物質生産の中心地だが、300社以上もの製薬会社の存在と、監督当局の怠慢、不適切な排水処理が重なったことで、湖と河川は抗生物質に汚染され、薬剤耐性菌の巨大な「培養皿」になってしまったと指摘されている。写真は薬剤耐性菌の一種、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の培養皿。独ベルリンの研究室で2008年撮影(2016年 ロイター/Fabrizio Bensch) 何世紀も前、インドの王子たちはメダック県の水清きKazhipally湖で沐浴をしたものだ。しかし今日、酷暑のインド南部で暮らす最も貧しい村人でさえ、荒れ果てた湖岸と泡立つ水を指さし、「あのあたりには近づかないようにしている」と言う。 ハイテク産業の拠点ハイデラバードから車ですぐの距離にある南東部テランガナ州メダック県は、インドの抗生物質生産の中心地である。人口約250万人のメダ