ベオグラード中心部にある国営放送局の前でろうそくに火をともし、政権寄りの報道に抗議の声を上げる市民たち 「この国にはフェイスブックとツイッター以外に団結して抗議するためのメッセージを発信できるメディアがない」。セルビアの首都ベオグラードの旧市街で会った大学生セルジャン・マルコビッチ(30)は、憤りをにじませてそう言い切った。 大統領の辞任と公正な選挙、報道の自由を求めて、昨年12月から仲間とともに毎週土曜日の夜にベオグラード市内で反政府デモを続けている。国営メディアをはじめ、政権寄りとされる大手の報道機関がデモの様子をほとんど伝えないなか、マルコビッチたちが情報を広める手段として頼るのがソーシャルメディアだ。 政府への抗議は、野党の政治家が暴漢に襲われたことをきっかけに始まった。マルコビッチと一緒にデモを呼びかけるイェレナ・アナソノビッチ(24)は「大学の奨学金も、生活のための仕事も、政権