「オーバースペックシンドローム」というキーワードに興味を持って,この2月3日に,「ものづくり寄席」を前回に続いて覗いてきた。今回の講師は,立命館大学経営学研究科准教授の善本哲夫氏で,講演のテーマは,「新興国市場とオーバースペックシンドローム』である。 「オーバースペックシンドローム」とは,顧客の要求品質を超えた品質過剰な製品を供給しがちな体質のことである。筆者はてっきり,そうした過剰品質体質をいかに脱却して新興国の消費者のニーズに合った製品を出していくかという話だと思っていたが,善本氏が言わんとするところは,後半部分はその通りだが,前半部分はかなり趣が違った。前提として「オーバースペック」だと勝手に思い込んでしまう傾向に警鐘を鳴らしているのであった。 思い込みとしての「オーバースペック」 「『オーバースペック』だと勝手に思い込んでしまう」とはどういうことか。「5000回曲げても大丈夫なテレ
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