菅義偉官房長官は1日午前の衆院国家安全保障特別委員会で、首相や官房長官、外相、防衛相らが参加する国家安全保障会議(日本版NSC)の議論の公表について「国家安全保障を損なわない程度に検討したい」とする一方、「議事録は作成しない」と答弁した。議論の詳細が秘密のまま明らかにならず、国民の「知る権利」が制約される可能性もある。 菅氏は、首相や外務、防衛、国交などの閣僚が参加する現在の安全保障会議でも「自由闊達(かったつ)な議論を確保する必要性、機微にわたる問題」のため議事録を作成してこなかったと説明し、「そこは民主党政権でも同じだった」と答弁。「だから(NSCでも)議事録は作らない」と続けた。 民主党の後藤祐一氏への答弁。民主党はNSC設置法案の修正案で首相、官房長官ら4大臣会合に議事録作成を義務づけている。 議論の公表は、31日に参考人として出席した柳沢協二・元内閣官房副長官補も求めていた。