プロジェクトの進捗は、「管理する」よりも「プロモートする」と捉えるべきだ。それには、関係者の理解や認知を高め、合意形成へのアクションを取りやすくする。合意形成に必要な情報や判断材料を、進捗報告書の書式にも反映しよう。 Before 進捗をプロモートする報告書って? プロジェクトマネジャー(PM)の田村玲奈は、悩んでいた。総務システム更改プロジェクトで使用する進捗報告書の書式について、「ブラ柳」こと柳川グループ長にダメ出しされたのだ。 前任の吉瀬グループ長に比べて、柳川グループ長は、細かいことをうるさく言わないタイプのはずだった。もともとアジャイル型の方法論に慣れていて、「細かく決めたって、どうせその通りにはいかないよ」というのが口癖。柳の枝が風にぶらぶら揺れるように、環境や状況によって柔軟に態度を切り替えるので、ブラ柳というあだ名がついた。優柔不断というよりは、臨機応変という意味で、部下か