教育バウチャー 2007年12月26日 この本、最近の教育経済学の理論と実証を要領よく整理しており、便利です。 荒井一博『学歴社会の法則』(光文社新書) 教育経済学というと、常々、私が難しいと思っているのは、バウチャー導入の評価です。というのも、大方の専門家が異口同音に、バウチャーを導入するなら、私立学校の入学者選抜を規制すべきであると主張しているからです。荒井さんのみならず、12月17日日経「経済教室」の小塩さん、『現代経済学の潮流2007』の赤林さんも、同趣旨のことを述べています。 そもそも、ネオクラシカルな教育論では、規制を強化すべきというのは、なかなか正当化されづらい。教育の需要者の選択の自由を広げようという時、なんで供給者の選択の自由を制限しなければならないの? しかしながら、入試選抜というのは、消費者に割当を行っていることなんですよね。普通の経済学では、価格を調節して、割当が