NTTは、MEMSを用いて作製した微細な板バネを振動させ、複数の論理演算を同時に実行でデジタル演算の手法を開発したことを発表した。同技術を活用すると、1個の基本素子だけで論理回路を構成できる可能性があるという。英国の電子版科学誌「Nature Communications 」に2月15日(英国時間)に掲載された。 通常のコンピュータでは、最も基本的な論理演算であっても複数のトランジスタが必要となり、その分、電力を消費している。今回、NTTの物性科学基礎研究所では、MEMSを用いて作製した厚さ1.4μmの板バネ素子を1個だけ用い、周期的な電圧を加えて発生させた約10nmの微細な板バネの振動に複数のデジタル情報を異なる周波数を用いて入力する事で、複数の論理演算を同時に実行することに成功した。 具体的には、光ファイバ通信で使われる、異なる波長の波に異なるデジタル情報のせて伝送する波長分割多重(