こんにちは、将棋プログラム「Ponanza」の作者、山本一成です。今回は将棋プログラムの「機械学習」に大きな変化をもたらしている“評価”についてをメインに話したいと思います。 将棋プログラムは大きく分けて、2つの部分から成り立っています。それは“探索”と“評価”です。“探索”とは、つまり“読むこと”で、将棋プログラムは1秒間に何百万もの局面を読めます。前回の並列化は、この“探索”の強化のお話でした。 そして、その読んだ局面の良し悪しを判断するのがもうひとつの部分、“評価”です。この“評価”が正しくできないとせっかくの“探索”が無駄になってしまうので、将棋プログラムにおいてこの“評価”作業はすごく重要なのです。 昔は年単位でかかっていた“評価”作業 将棋の局面をどのように評価すればいいか。 これは将棋プログラムにとって昔から重要なテーマでした。昔はそれこそ職人のように、開発者がひとつひとつ丁