タグ

ブックマーク / www.geekpage.jp (26)

  • ルータやスイッチは日本の法律上、通信の秘密を侵害するが違法ではない:Geekなぺーじ

    パケットのヘッダに記載された情報を読み取らなければ、ルータはパケットを転送できません。 日の法律では、ISPなどの電気通信事業者がIPヘッダに記載された情報を読み取ることは通信の秘密を侵害すると解釈されています。その一方で、インターネットにおける通信を実現するためにはルータがIPヘッダに記載された情報を読み取ることは必要であり、違法であるとは思えません。 日におけるインターネットと法律に関する話題に触れたことがない方にとっては、非常に奇妙な話に聞こえるかも知れません。しかし、このように「法益を侵害するが違法ではない」という解釈は、日においてインターネットがどのように運用されているのかを理解するうえで非常に重要なポイントです。 日国憲法(第21条)と電気通信事業法(第4条)は、通信の秘密を定めています。憲法における通信の秘密と、法律における通信の秘密の違いは、憲法が政府などの公権力に

    yife
    yife 2018/04/24
  • IPv6って速いの?:Geekなぺーじ

    最近、たまに「IPv6って速いんですか?」という質問をされることがあります。 それに対して意図的に非常に雑な回答をする場合には、「はい。IPv6を使うと速くなる場合があります。」と答えるようにしています。 今回は、「IPv6の方が速い」となる可能性がありそうな場合をいくつか紹介します。 IPv4 PPPoEを避ける場合 「IPv6を導入するとインターネットが速くなる」と日国内で言われている状況があります。 NTTフレッツ系のIPv4 PPPoE利用時に、NGNでの網終端での輻輳が発生している場合があり、IPv6 IPoE(参考:IPv6 IPoEの仕組み)を利用することでIPv4 PPPoEを利用せずにインターネットとの通信が可能になるために、「IPv6の方が速い」という状況が発生するというものです(IPv4 PPPoEとIPv6 PPPoEは別なので、IPv6 PPPoEを使うことでも

    yife
    yife 2017/12/29
  • ネットワークバイトオーダーの公式な参照先はエイプリルフール:Geekなぺーじ

    インターネットは、その場しのぎの拡張を繰り返して迷路のようになってしまった古い旅館のような側面があります。 インターネットは、インターネットプロトコル(Internet Protocol/IP)を使った通信によって成り立つ世界規模のネットワークですが、そこで使われる非常に多くのプロトコルが「ネットワークバイトオーダー(network byte order)」というデータ転送の順番を採用しています。 ネットワークバイトオーダーはビッグエンディアンという大きな桁を表すビットを含むバイトから最初に並べる方式を示す用語で、TCP/IPに関連する非常に多く(もしくは大半)のプロトコルが、ネットワークバイトオーダーを採用しています。 しかし、ネットワークバイトオーダーがTCP/IPの標準であることを示したRFCは存在しません。 そもそも、ネットワークバイトオーダーを明確に定義したRFCも存在しません。

    yife
    yife 2017/12/19
  • オーム社電子書籍直販サービス終了に関して:Geekなぺーじ

    オーム社が電子書籍直販サービスを終了するというお知らせがでていました。 同社では、マスタリングTCP/IP RTP編(2004年)、インターネットのカタチ(2011年)、マスタリングTCP/IP OpenFlow編(2013年)の3冊で関わらせていただいたこともあり、今回廃止される電子書籍直販サービスで拙著も販売されていました。 オーム社eBook Storeサービス終了のお知らせ 電子書籍直販サービスが終わるということは、ネット上で話題になっていることで知りましたが、「そのうちこうなるだろうと思っていた」ということが起きました。 10月29日に「運営スタッフ退任のお知らせ」というお知らせが出ており、eBook Store企画運営担当の森田さんが「運営スタッフ退任」とあります。 そのお知らせからは社内異動のようにも読めますが、実際は運営スタッフ退任だけではなく、10月末で退職されたようです

    yife
    yife 2017/12/01
  • ユーザの近くにある偽DNSサーバの話:Geekなぺーじ

    RIPE 75で、DNSへの問い合わせ内容によって、DNSパケットが通過するネットワークが変わってしまうという怪しい挙動の報告がありました。 Babak Farrokhi - A Curious Case of Broken DNS Responses 発表資料(PDF) この発表では、DNSのパケットが途中ネットワークで解析され、そのDNSパケットに含まれる内容に応じて、すぐ近くにある偽のDNS応答が返ってくることがあるというものでした。 DNSパケットを解析するDPI(Deep Packet Inspection)装置+偽DNS応答機能といった感じでしょうか。 発表者は、偽DNS応答がどこにあるのかを調べるために、DNSの問い合わせを用いたUDPによるtracerouteを実装しています。 偽DNS応答は、特定の名前に対するDNS queryに対してのみ発動するようなので、通常のtra

    yife
    yife 2017/11/01
  • NATのせいで犯罪者が特定できないという問題提起がEUで行われる:Geekなぺーじ

    欧州刑事警察機構(Europol)のプレスリリースにて、ISP等で運用されるCGN(Carrier Grade NAT/大規模NAT)が犯罪捜査の妨げになっていると述べられています。 Europol: Are you sharing the same IP address as a criminal? Law enforcement call for the end of Carrier Grade NAT (CGN) to increase accountability online Europolのプレスリリースによると、欧州連合理事会(EU Council)の今期議長国であるエストニアとEuropolが共同でCGNの問題に関するワークショップを開催したとあります。 ワークショップには、EUのポリシーメーカーや法執行機関当局者35名が参加しました。 さらに、Europolの技術的なパー

    yife
    yife 2017/10/19
  • インターネットは日々壊れている:Geekなぺーじ

    「壊れやすくて粘り強い」というのは、私がインターネットに対して持っているイメージです。 絶対に壊れないことを目指すのではなく、ある程度は部分的に壊れることを前提にしてある、また、ゆるさやいい加減さが逆に全体としての壊れにくさを実現しており、全体としては粘り強くなっている、という意味合いです。 絶対に壊れないシステムを目指して、細かい部分的な障害や不具合を許容しないシステムを設計してしまうと、部分的には壊れなくても、障害のレベルがある一定の閾値を超えた時点で全体として動作不能になる可能性があります。 「部分的に壊れることを許さないもの」を目指してしまうと、できるだけ耐えるけど、耐えきれなくなったら全部一気に崩壊するというモデルになってしまいがちなのです。 今の日では、インターネットは非常に安く、高速で、いつでも使える社会基盤となりました。 その社会基盤が「壊れる」ことなんて想像できないとい

    yife
    yife 2017/09/13
  • インターネットは当初目指したものではなくなってしまった:Geekなぺーじ

    NANOG 68のDesperately Seeking Defaultという発表にて、APNICのGeoff Huston氏が、いまのインターネットはかつてエンジニア達が目指したものとは違うものになってしまったと表現しています。 この発表が行われたNANOG 68(2016年10月17日)は、ネットワークエンジニアが集まるイベントであるため、ここで言う「我々」というのは、主にネットワークエンジニアを指しています。 IETFでもそういう雰囲気があるのですが、「我々がインターネットを作っている」という自負がある人々が会場内に多いです。そういった空気感がある「場」での発表です。 発表そのものは、インターネットを運用する際に見える「経路」は組織によって異なり、インターネットでは互いに通信ができないネットワークがあるという話です。 「Default」の経路として提供されるものが異なり、インターネッ

    yife
    yife 2017/09/13
  • TCPだけでDNSサーバにqueryできるようになってた:Geekなぺーじ

    DNSメッセージといえばUDPの53番というイメージの方々も非常に多いと思いますが、1987年に発行されたRFC 1035の時点でDNSメッセージのトランスポートとして利用できるのはUDPとTCPであると記述されています。 しかし、これまでDNSにとってはUDPが基でした(ゾーン転送を除く)。「RFC 1123: Requirements for Internet Hosts」には、以下のようにあります。 DNS resolvers and recursive servers MUST support UDP, and SHOULD support TCP, for sending (non-zone-transfer) queries. Specifically, a DNS resolver or server that is sending a non-zone-transfer

    yife
    yife 2016/07/15
  • 世界的なインターネット障害が発生:Geekなぺーじ

    6月20日に世界的な通信障害が発生しました。先日、このブログの「金と力のインターネット」という記事で「超巨大バックボーンネットワークを持つ組織同士(ティアワン)」を紹介しましたが、世界第2位の規模(参考)を持つティアワンであるスウェーデンのTeliaが通信障害を起こしたのです。 TheRegisterの記事によると、Teliaの通信障害の原因をエンジニアによるミスであるようだと記載しています。ヨーロッパ中のトラフィックが香港に向けて流れるように基幹ルータの設定を変更してしまったとあります(BGPの設定ミス?)。 この通信障害によって、Facebook、AmazonCloudFlare、その他非常に多くの事業者が影響を受けたようです。数多くのWebサイトの再配信を手がけているCDN事業者であるCloudFlareが影響を受けたことで、同社サービスを利用しているWebサイトにも影響が出ました

    yife
    yife 2016/06/23
  • 「著作権侵害サイト遮断 政府が導入検討、海外経由に対応」に関して:Geekなぺーじ

    経済新聞に、以下のような記事が掲載されています。 著作権侵害サイト遮断 政府が導入検討、海外経由に対応 政府はインターネット上に氾濫する著作権侵害サイトへの接続を強制的に遮断できる仕組みを検討する。内閣官房の知的財産戦略部(部長・安倍晋三首相)に今夏にも有識者会議を新設。通信事業者や大学の専門家と連携して2016年3月にも決める。取り締まりが難しい海外サーバーを使った侵害サイトに対応できるようにする。 2010年頃の議論を振り返る 「取り締まりが難しい海外サーバーを使った侵害サイトに対応できるようにする」とありますが、恐らく、DNSブロッキングに関する議論も含まれていると推測しています。 日では、児童ポルノを対象としたDNSブロッキングが2011年から開始しています(参考)。民間の通信事業者が各自の自主的な判断でDNSブロッキングを行っているという体裁であるため、ここで議題となる

  • なぜ「DNSの浸透」は問題視されるのか (4):Geekなぺーじ

    ((3)の続きです) さらに、キャッシュされた各レコードにはTTLと呼ばれる「キャッシュの生存期間」が指定されています。 DNSキャッシュサーバは、各レコードをTTLで示された秒数以上は保持せず、TTL時間が経過したレコードは破棄します。 このような仕組みから、DNSの情報は「浸透」や「伝播」するようなものではありません。 DNS権威サーバーは問い合わせに対してのみ応答します。 つまり、問い合わせがない限り、委任情報やレコードをDNSキャッシュサーバに能動的に渡しません。 さらに、DNSキャッシュサーバも、自分が保持しているキャッシュが切れた時点で自発的に再問い合わせするわけでもありません(ただしGoogle Public DNSは、それをすることで「高速化」していると宣言しています)。 つまり、ルーティングの仕組みなどと異なり、変更した情報そのものが「能動的に」か つ「徐々に」伝わってい

    yife
    yife 2015/02/02
  • DNSの「開いたパンドラの箱」を理解するために - 権威DNSサーバが返す5種類の応答とその意味 -:Geekなぺーじ

    前回からかなり時間が経過してしまいましたが、やっと新書を書き終わったので、「DNSキャッシュポイズニングの基と重要な対策」の続きです。 まだまだ先は長いのですが、今回は権威DNSサーバがキャッシュDNSサーバに返す5種類の応答とその意味について解説します。 権威DNSサーバからの5種類の応答 ユーザからの名前解決要求を受け取ったキャッシュDNSサーバは、ルートサーバを起点とするDNSの階層構造をたどって、名前解決を実行します。名前解決の際、キャッシュDNSサーバはユーザから問い合わせがあった「名前」と「型」を、権威DNSサーバにそのまま問い合わせます。そして、キャッシュDNSサーバはそれぞれの権威DNSサーバから返される応答を解釈しながら、名前解決を進めていきます。 名前解決において、キャッシュDNSサーバがそれぞれの権威DNSサーバから受け取る応答は、以下の5種類に分類できます。この5

  • 8.8.8.8に対するBGPハイジャックの話:Geekなぺーじ

    一昨日書いた記事に対する補足です。 まず、最初にBGPハイジャックそのものは、世界各所で毎月のように発生しており、別に珍しくもない話です。 そのほとんどが、意図的にトラフィックを乗っ取る目的で行われたものではなく、単なるオペレーションミスであると言われています。 BGPハイジャックで有名なのが、2008年にYouTubeへのトラフィックをパキスタンのISPが吸い込んでしまった事件(参考:RIPE-NCC: YouTube Hijacking: A RIPE NCC RIS case study)ですが、これも意図的にやったのではなく、パキスタン国内向けのネット検閲設定が外部に漏れてしまったというオペレーションミスだったと思われます。 オペレーションミスは、漏らしてしまった側だけではない可能性もあります。 そもそも、/32などのプレフィックス長を持つ経路はフィルタされていることが多いので、普

  • ネットワークスペシャリストでまさかのOpenFlow出題:Geekなぺーじ

    独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が試験を行っている「ネットワークスペシャリスト」という国家資格があります。 昨日行われた、ネットワークスペシャリスト試験の午後II 問2が、まさかのOpenFlow問題でした。 午後IIは、問1(無線LAN)か問2(OpenFlow)の選択でしたが、問2を選べば午後IIの試験が丸ごとOpenFlowという状況だったようです。 ネットワークスペシャリスト 平成25年度秋期 午後II (PDF) OpenFlowがネットワークスペシャリストの試験問題として登場するとは思っていなかった人々も多かったので、一部界隈で比較的話題になっている印象です。 私も、最初は「え?マジで?嘘?」みたいな感想でした。 「OpenFlow」という単語は出てこない この問題では、「OpenFlow」という単語は一度も登場しません。 書いてあるのは「OF方式」というものです。 試験

    yife
    yife 2013/10/21
  • Geekなぺーじ : Googleのネットワーク構成を調べてみた

    以下、図を作った方法、その他もうちょっと深い推測です。 なお、ここに書いている内容は、公開された情報から勝手に推測しているだけなので、正しくない可能性があります。 あらかじめご了承下さい。 AS番号を調べる まず、最初に「Google」という文字列が含まれるAS番号(ASN)を探しました。 Googleアメリカの会社なので、まずは何も考えずにARINのwhoisで「google」と打ち込んで結果を見ます。 何か色々出てきます。 Google Inc. (AS15169) GOOGLE 15169 Google Inc. (AS36039) GOOGLE 36039 Google Inc. (AS36040) GOOGLE 36040 Google Inc. (AS15169) GOOGLE 15169 Google Inc. (AS36039) GOOGLE 36039 Google I

  • スノーデン事件の裏で起きていたSSL秘密鍵を巡る戦い:Geekなぺーじ

    今月7日から9日にアリゾナ州で開催されたNANOG 59で、Ladar Levison氏がFBIにサービス全体のSSL秘密鍵を要求された話が公開されていました。 Ladar Levison氏が運営していた、Lavabitという電子メールサービスはスノーデン事件に関連して突如8月8日に閉鎖されています。 閉鎖時には詳細が書かれておらず、様々な憶測が語られていましたが、世界中から多数のネットワークエンジニアが集まるNANOGで、その一部始終が語られました。 この発表は、NANOG 59が開始される前の週に、裁判所が調査対象の氏名以外を機密解除したことによって実現しています。 インターネット上で提供されているサービス事業者にSSL秘密鍵を提出させ、かつ、その事実の公表が違法行為となるようにされてしまっている一方で、こういった内容を公的に語れるように裁判所で戦って、実際にそれを勝ち取るというのは凄

  • 違法ダウンロード刑事罰化でトラフィックが減ってる:Geekなぺーじ

    先日、「違法ダウンロード刑事罰化と日のインターネットトラフィック」という記事を書きましたが、その後のトラフィック推移を見る限り、やっぱり日国内のインターネットトラフィックは目に見えて減っているように思えます。 NTTぷららのトラフィック情報 たとえば、NTTぷららが公開しているトラフィックモニターを見ても、10月1日月曜日以降のトラフィックが明らかに減っているのがわかります。 NTTぷららトラフィックモニターは都道府県別に表示されているのですが、どの県を見ても同様の傾向があるので、局所的な傾向というよりも、全国的な傾向であるように思えます。 インターネットマルチフィードのトラフィック情報 日国内の大手IXの一つであるインターネットマルチフィードが公開するJPNAP東京I、JPNAP東京II、JPNAP大阪のトラフィックを見ても、10月1日以降に一目瞭然な減り方をしているのがわかります

  • 韓国におけるネット検閲:Geekなぺーじ

    NY Timesが韓国におけるネット検閲の記事を公開しています。 韓国のネット環境と言って私が連想するのは、世界最高レベルの通信速度であることや、インターネット実名制(大手サイトでの住民登録番号による人確認必須/トレーサビリティ確保)などです。 中国など、ネット検閲が厳しいことで知られる国々に関するネット検閲記事は年に数回見ますが、韓国でのネット検閲というテーマの記事を米国新聞社が書いているのを見るのは初めてです。 Korea Policing the Net. Twist? It’s South Korea. 記事冒頭で紹介されているのが、Twitterで大統領を罵倒したらアカウントがブロックされてしまった事例です。 「中国だったら驚かないけど、韓国でこれが起きている」と記事は表現しています。 その他に、Twitterアカウント名として大統領を「ろくでなし(記事中では"bastard"

  • 企業名/ブランド名gTLDのはなし:Geekなぺーじ

    先日、ICANNによるNew gTLDsプログラム応募者が公開されましたが、多くの企業が自社名等を示すgTLDを申請していました(参考)。 それに対するネット上での反応(たとえばTwitterなど)では、「ブランド名は取るべきだ」とか「大企業として良くやった」というような好意的な意見も非常に多く出ていました。 ただ、個人的には多少微妙な感想を持っています。 New gTLDsは、トップレベルドメインを管理運営するレジストリの募集なので、.comや.net以下のセカンドレベルドメイン登録とは大きく意味が異なります。 恐らく最も大きな違いは「レジストリになる」という点だと思います。 そのレジストリに課される条件として、「全てのレジストラを平等に扱わなければならない」(ドメイン名登録におけるレジストラの機会均等)というものがあります。 以下は、2008年のJPNICニュースレター記事です。 今回