中国の大学入試(高考)は6月。受験生たちは今まさにラストスパートを迎えているところだが、過酷な受験戦争を勝ち抜くために、なんと授業中に点滴を打ってまで勉強に励む高校生が続出しているという。中国の内情に詳しい田代尚機氏(TS・チャイナ・リサーチ代表)のレポートだ。 * * * 中国の高校の授業風景はちょっとどころか、かなり変わっている。湖北省のある高校では、天井からは点滴がぶら下がり、まるで病院のようだが、何も生徒たちは病気というわけではない。6月に大学入試を控え、受験シーズンの真っただ中にいる高校3年生が、あまりにも過酷な受験勉強の疲れをとるために点滴を打ちながら授業を受けているのだ。 しかも、その数は1人や2人ではない。1クラス50~60人のうち20人以上の学生が点滴の管を挿して授業に臨んでいるケースもあるという。 きっかけは、数年前に授業を抜けて病院に行って点滴を打つ生徒が現われたこと