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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (23)

  • 早川書房の3000作品以上が最大50%割引の電子書籍セールがきたので、新作SF・ノンフィクションを中心にオススメを紹介する - 基本読書

    プライムデーに合わせて恒例となっている早川書房の50%割引のセールがきているので、今回も一年以内に刊行された新作SF・ノンフィクションを中心に紹介していこうかと。セール期間は2024年6月25日〜7月17日までで、セール対象は2023年12月までの作品になり、直近半年についてはまた次回。 amzn.to SF小説のおすすめを紹介する。 白亜紀往事 作者:劉 慈欣早川書房Amazonめぼしいものをみていたが今回は特にSFが豊作だ。目玉の一つは、『三体』の劉慈欣による中篇相当の作品『白亜紀往事』。物語の舞台は白亜紀末期、独自に知性を発達させた大きな恐竜と、その反対に小さな生き物の蟻、二者の協力関係を主軸に描き出していく。恐竜は初歩的な言語を使いこなすなど知性が高いが、細かな作業は不得意であり、その弱点を蟻が補うことで、文明は相互発展していくのである。 最初両者の関係は蟻が恐竜の歯を掃除するよう

    早川書房の3000作品以上が最大50%割引の電子書籍セールがきたので、新作SF・ノンフィクションを中心にオススメを紹介する - 基本読書
    yingze
    yingze 2024/06/26
    二年前にここでセール紹介された奴が、一ページも読まずに積んでるな。また買うか。
  • 原作《三体》三部作にたいする大胆な再構成を試み、芯を同じくした別物として生まれ変わったNetflix版──『三体』 - 基本読書

    www.netflix.com 世界累計2900万部、日中国SFブームを引き起こすきっかけになった劉慈欣による壮大なSF長篇《三体》三部作。そのNetflixドラマ版が先日公開された。エピソード数は全部で8話で、原作(第二部、第三部は上下巻)の分量のことを思えば8話でその物語が全部語り尽くせるわけもないから、ドラマ版は原作の途中までになる。 で、SF超大作ドラマだし原作も好きだしですぐに観てみたのだけど、これが大変おもしろかった。原作とは大きく変わっている部分も多いが芯はブレずに残っていて、たしかに『三体』を観たという感触が強く残る。たとえば、原作では冒頭に配置され、作中の重要な人物が人類に絶望するきっかけを与える中国の文革のシーンも、Netflix版の前に公開済みのテンセント版とは違ってきっちりと冒頭で描かれている。 物語の大まかな流れは基的に同一だし、ガジェットや重要な出来事もそ

    原作《三体》三部作にたいする大胆な再構成を試み、芯を同じくした別物として生まれ変わったNetflix版──『三体』 - 基本読書
    yingze
    yingze 2024/03/30
    テンセント版って検閲で文革描かないのに、どうやって葉文潔の絶望からの人類滅ぼしたろって心情の説得力持たしているんだろ?
  • 『タテの国』の著者による、100年ごとに5万年後の未来までを観測するド真ん中で壮大な規模のSF長篇──『未来経過観測員』 - 基本読書

    未来経過観測員 (角川書店単行) 作者:田中 空KADOKAWAAmazonこの『未来経過観測員』は、縦読みならではの物語を構築し次々と明らかになる世界の真の姿、無限構造の物語を描きだしてみせた漫画『タテの国』や宇宙をさまよい、偶然出会った無人の宇宙船同士で元素を奪い合う闘争を描いた短篇『さいごの宇宙船』など格的なSF漫画を次々と発表してきた田中空のはじめての小説作品だ。 もともと表題作の『未来経過観測員』がカクヨムにて掲載され人気となっていた。書はそこに短篇「ボディーアーマーと夏目漱石」が書き下ろし&追加された一冊になる。もともと『タテの国』などの作品を読んで今どき珍しいぐらいにド直球に「世界の真の姿」「宇宙の果ての果て」、「世界の終わり」に挑みかかるような作家で(そういう意味でいうと、タイプとしては劉慈欣やステープルドンを彷彿とさせる作風ではある)どの漫画もたいへん楽しく読んでい

    『タテの国』の著者による、100年ごとに5万年後の未来までを観測するド真ん中で壮大な規模のSF長篇──『未来経過観測員』 - 基本読書
    yingze
    yingze 2024/03/24
    超面白そう 終わりなき戦争とディアスポアの合わせ技みたいな
  • SFが読みたい2024年版で海外篇一位を獲得した、悪に堕ちたロボットの人生を描く長篇SF──『チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク』 - 基本読書

    チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク (竹書房文庫) 作者:ジョン・スラデック竹書房Amazonこの『チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク』*1は奇才ジョン・スラデックによって40年前(1983年)に刊行されたSF長篇だ。邦では昨年邦訳が刊行されたが、あれよあれよというまに評価されて、2023年を総括するSFガイドブック『SFが読みたい!2024年版』の海外SF篇で見事一位の座に輝いた。 一位に輝いたぐらいなので作はおもしろいが、なぜ40年前の作品が一位になったのか。理由が僕にわかるはずもないが、SFが読みたいは業界関係者による投票によってランキングが決定する仕組みなので、まず通に評価されたこと。また、『プロジェクト・ヘイル

    SFが読みたい2024年版で海外篇一位を獲得した、悪に堕ちたロボットの人生を描く長篇SF──『チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク』 - 基本読書
    yingze
    yingze 2024/02/11
    チクタクだけキンドルウルティメイト入ってるね。後で読んでみよ。
  • 今年(2023年)おもしろかった本を一気に紹介する。 - 基本読書

    今年おもしろかったを一気に紹介します。大きめの書店が次々閉店し、人手不足や配送の問題もあって出版的には厳しい時期が続くがおもしろいは依然として絶えない。あとゲームもいっぱいやったので、だけでなくゲームも合わせて振り返っていこう。いつもは長くても5000文字ぐらいだが、今回は試しに合計1万文字以上書いてみたので、よかったら目次から興味あるやつにとんで読んでみてください。 SFを紹介する キム・スタンリー・ロビンスン『未来省』 N・K・ジェミシン『輝石の空』 ローラン・ビネ『文明交錯』 シーラン・ジェイ・ジャオ『鋼鉄紅女』 ジョン・スコルジー『怪獣保護協会』 『宇宙の果ての屋』 ジョン・スラデック『チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク』 酉島伝法『奏で手のヌフレツン』 川端裕人『ドードー鳥と孤独鳥』 斜線

    今年(2023年)おもしろかった本を一気に紹介する。 - 基本読書
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    yingze 2023/12/29
    「輝石の空」、三部作の一作目があまりに面白く無くて。翻訳の問題かと思ったけど、プロジェクトヘイルメイリーの翻訳者だし、冬木糸一さんも日本語版を評価してるんだよね? しかも一作目時点でヒューゴー賞って!
  • 欧米で話題沸騰の気候変動にまつわるすべての領域を描き出そうとした野心的な気候変動SF──『未来省』 - 基本読書

    未来省(The Ministry for the Future) 作者:キム・スタンリー・ロビンスン,坂村健パーソナルメディアAmazonこの『未来省』は、『レッド・マーズ』、『グリーン・マーズ』、『ブルー・マーズ』の三作からなる火星三部作や『2312 太陽系動乱』などで知られるキム・スタンリー・ロビンソンが2020年に刊行した気候変動SF長篇だ。キム・スタンリー・ロビンソンは「細部へのこだわりと、世界や社会、人類といった大きなものをまるごと描こうとするヴィジョン」のどちらもを持ち合わせる稀有な作家だが、作は”気候変動vs人類”という中心テーマに対して、その才能をいかんなく発揮している。 最初に概要と総評を紹介する 近年実際に災害が増えていることもあって、気候変動をテーマにした小説(Climate Fiction)は欧米で伸びているジャンルだが、作は数あるcli-fiの中でもとりわけ大

    欧米で話題沸騰の気候変動にまつわるすべての領域を描き出そうとした野心的な気候変動SF──『未来省』 - 基本読書
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    yingze 2023/09/22
    ブルーマーズ読んでないの思い出したわ
  • 自分がどうやって、どのような経路でSFに入門したのか - 基本読書

    今度8月6日に埼玉で行われるSF大会の一企画で、「SF入門書で「SF再入門」」という企画を牧眞司さん、池澤春菜さんと僕の三人で行う予定なのだけど、このイベント前に一度「自分はそもそもどうやってSFに入門したんだっけ?」を振り返っておこうと思った。そういう文章は(たぶん)今まで一度も書いてないのもあるし。 www.scicon.jp 僕の場合おもしろいのは、SFを明確にたくさん読み始めたのは大学生になってこのブログ(基読書)を書き始めて以後のことで、SFにどのようにハマっていったのかの軌跡が残っている点にある。たとえば僕がこのブログを書き始めるきっかけになったのは神林長平の『膚の下』を読んで、自分も何かを書き残さねばならぬ! と強く決意して以降のことだ。しかしそもそもなぜ『膚の下』を読んだのかといえば、その前に僕が神林長平の『戦闘妖精・雪風』を読んで衝撃を受けていたからだった。 戦闘妖精・

    自分がどうやって、どのような経路でSFに入門したのか - 基本読書
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    yingze 2023/08/09
  • 早川書房の2700作品が50%割引の大型電子書籍セールがきたので、SF・ノンフィクションの新作を中心にオススメを紹介する - 基本読書

    早川書房の2700作品が最大50%割引という電子書籍セールが来たので、僕が読了済みのものからオススメを紹介しよう。早川書房は定期的にこの規模のセールをやることで知られているが、そのたびにラインナップが異なる。特に、前回のセール時には対象ではなかった最新の作品なども今回は多数セールに入っているので、今回は主に2022年10月〜23年4月頃に刊行された新作を中心にオススメを紹介していこう。 今回はざっと見ていたがセール対象の作品数も多いし、23年4月のまだ新刊ほやほやといえる作品までセールラインナップだしで充実した内容になっている。そのため、いつもより文字数&作品数増量で紹介しよう。下記はリスト。 amzn.to まずはSFから 三体0【ゼロ】 球状閃電 作者:劉 慈欣早川書房AmazonまずSFの目玉といえるのが劉慈欣の伝説的な中国SF三部作《三体》の前日譚長篇である『三体0 球状閃電』。前

    早川書房の2700作品が50%割引の大型電子書籍セールがきたので、SF・ノンフィクションの新作を中心にオススメを紹介する - 基本読書
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    yingze 2023/06/23
    去年買ったデューンがまだ1ページも読まずにキンドルの奥深くで眠ってるぞ!/ヤキトリ2冊と天冥の標 全17冊の合本版買っちった。
  • グレッグ・ベアの傑作&代表的中篇が二つまとまった記念碑的一冊!──『鏖戦/凍月』 - 基本読書

    鏖戦【おうせん】/凍月【いてづき】 作者:グレッグ・ベア早川書房Amazonこの『鏖戦/凍月』はハードSFの巨匠にして『ブラッド・ミュージック』などの著作で知られるグレッグ・ベアの代表的中篇二つをまとめた一冊になる。グレッグ・ベアは1951年生まれの作家で、今の作家とはいい難い。ではなぜ今新しいが出たのかといえば、昨年の11月に亡くなり、今月発売のSFマガジンでグレッグ・ベア追悼特集(小特集だけど)をやっているタイミングだからだ。つまり、記念碑的一冊である。 古い時代の作家とはいえ、僕は個人的にグレッグ・ベアという作家とその作品が大好きだ。最先端の科学とテクノロジーを貪欲に吸収し、それを壮大で独特なヴィジョンに仕立て上げてきた作家で、傾向としては今話題の『火星の人』や『プロジェクト・ヘイル・メアリー』のアンディ・ウィアーなどと近い。それなのに、ほとんどの作品は絶版になって買うこともできな

    グレッグ・ベアの傑作&代表的中篇が二つまとまった記念碑的一冊!──『鏖戦/凍月』 - 基本読書
    yingze
    yingze 2023/04/28
    3Bの作品やリングワールドとか、再販も電子化もされてないので喜ばしい。持ってるけど。
  • 史上初の三年連続ヒューゴー賞を受賞した、惑星規模のサイエンス・ファンタジー三部作、ついに完結!──『輝石の空』 - 基本読書

    輝石の空 〈破壊された地球〉三部作 (創元SF文庫) 作者:N・K・ジェミシン東京創元社Amazonこの『輝石の空』は、『第五の季節』、『オベリスクの門』に続くサイエンス・ファンタジー《破壊された地球》三部作の完結巻である。なんといっても注目すべきは、歴史上はじめて三部作が三年連続でヒューゴー賞を受賞していることで、特に完結巻の作に至ってはネビュラ、ローカスも受賞しトリプルクラウンとなっている。 近年のSF・ファンタジーとしては、『三体』に並ぶ話題作中の話題作といえる。ジャンル区分としては終末・破滅SFに分類されるだろうが、最初にサイエンス・ファンタジーと評しているように、後半、特に最終巻に至ると「科学と魔法」が大きな意味を持って立ち上がってくる。単純なジャンル分けを許さない複雑さを備えた作品で、特にこの完結巻の終盤は読みすすめるたびに手が震えていくほどおもしろかった。 全部500ページ

    史上初の三年連続ヒューゴー賞を受賞した、惑星規模のサイエンス・ファンタジー三部作、ついに完結!──『輝石の空』 - 基本読書
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    yingze 2023/03/03
    第五の季節、100ページ過ぎたら面白くなるってレビューあったけど300ページくらい行っても糞つまんなくて読むの止めたわ。シリーズ通したら凄いのかもしれんが、一巻時点で何がどうなったらヒューゴー賞になるんだ?
  • 『「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門』の発売日なので本書ができるまでを振り返る - 基本読書

    「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門 作者:冬木 糸一ダイヤモンド社Amazon僕の初の単著『「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門』が日発売。宣伝記事を書きたいのだが、内容紹介に関してはすでにしっかりとした記事を書いているから、今日は『SF超入門』ができるまで、と題して、企画からどのようにして現在の構成にきまり、完成までに何があったのかを簡単に振り返っていこうかなと。そもそも僕はこういう制作振り返り系ドキュメンタリーが大好きなのだ。 huyukiitoichi.hatenadiary.jp 『ホドロフスキーのDUNE』とか、最近だとNetflixで公開されたLeague of Legendsのアニメ『Arcane』の制作ドキュメンタリーがYouTubeに上がっていて、これも大好きだ。完成品だけみるとあ〜おもしろかった。よくできていたな/できていなかった

    『「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門』の発売日なので本書ができるまでを振り返る - 基本読書
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    yingze 2023/03/01
  • 『「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門』という本を刊行します。 - 基本読書

    「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門 作者:冬木 糸一ダイヤモンド社Amazonこのブログ「基読書」を書いている冬木糸一です。3月1日に、『「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門』というをダイヤモンド社から刊行することになったので、その告知文を下記につらつらと書いていきます。このブログの読者にはまず楽しんでもらえる内容なので、ぜひ告知分だけでも読んでいってください。 の外観。440ページ超えなのでけっこう分厚い SF超入門とは何なのか 「SF超入門」と銘打っているわけなので、当然SFに入門するためのになる。歴史や作家など入門といっても無数の入り口があるわけだけれども、今回はいわゆるSF小説のガイド的な内容になっている。ただ、「SF初心者はこれを読め!」といって初心者向けを語る、ガイド記事を拡張した内容とは異なるアプローチでを選んでいる。 たとえば

    『「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門』という本を刊行します。 - 基本読書
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    yingze 2023/02/18
  • またまた早川書房1600作品が50%割引の大型電子書籍セールがきたので、SF・ノンフィクション中心にオススメを紹介する - 基本読書

    早川書房の1600作品が最大50%割引という大型の電子書籍セールが来たので、僕が読了済みのものからオススメを紹介しよう。早川書房は定期的にこの規模のセールをやることで知られているが、そのたびにラインナップが異なる。特に、前回のセール時には刊行間もなかった作品なども今回は多数セールに入っているので、今回は主に2022年1月〜以降に刊行されたセール品を中心にオススメを紹介していこう。 Amazon.co.jp: [プライムデー] Kindle最大70%OFF:早川書房タイトル: Kindleストア まずは目玉のSFから紹介していこう。 早川書房公式ページの刊行年月リストから一個一個セールになっているかな……と確認していったのだが(Kindleページの検索機能が劣悪なので)、今回は特に小説が豊作だった印象。たとえば、最初に紹介しておきたいのは春暮康一の『法治の獣』 法治の獣 (ハヤカワ文庫JA

    またまた早川書房1600作品が50%割引の大型電子書籍セールがきたので、SF・ノンフィクション中心にオススメを紹介する - 基本読書
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    yingze 2022/12/18
  • 『三体』三部作の裏側で起こってきたことに光を当てる、まさにこれが読みたかった! と思える公式スピンオフ──『三体X 観想之宙』 - 基本読書

    三体X 観想之宙 作者:宝樹早川書房Amazonこの『三体X』は、劉慈欣による中国SF最大の話題作である《三体》三部作の、宝樹による公式外伝(スピンオフ)である。公式外伝といっても種類はたくさんあるが、作が描き出すのは基的には『三体』の第三部で起こっていたことの裏側になる。 三体の第三部はそれまでの第二部とは異なって極めてスケールが大きくなったこともあって、小さなことは置いてけぼりに物語が進行していった。作(『三体X』)はそのあたりの拾われなかったSF設定を広げたり、キャラクタ間のありえたかもしれないやりとりを補完したりといった、二次創作的な色の強い作品となっている*1。扱い的にも正史の中に組み込まれているわけではなく、あくまでもパラレルワールドだ。 《三体》三部作は楽しんだけど二次創作はええかな〜という人もいるだろうし、僕も読み始める前はその気持ちがあったが、読み終えてみればそうも

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    yingze 2022/07/15
    三部の無能主人公は出てくる?
  • 弾圧が行われているとされる新疆ウイグル自治区で、実際に何が行われているのか?──『AI監獄ウイグル』 - 基本読書

    AI監獄ウイグル 作者:ジェフリー・ケイン新潮社Amazonこの『AI監獄ウイグル』は、近年弾圧が激しくなっているとされるウイグルで、実際に何が行われているのか、150人以上のウイグル人の難民、技術労働者、政府関係者、元中国人スパイにインタビュー取材をしその結果をまとめた一冊になっている。 書で描き出されているのは、チャットアプリによるメッセージや電話がすべて監視され、家の前には個人情報が詰まったQRコードが貼られ、身体情報から移動履歴などすべてのデータを元に犯罪を起こす可能性のある人物をAIが自動的にピックアップする「デジタルの牢獄化」したウイグルの姿である。これまで、断片的なニュース情報を読むことでウイグルで相当なことが行われていることはわかっていたつもりだったが、実際に収容所などを体験した人物のレポートはあまりにも衝撃的だ。 読み終えた夜は、自分が強制収容所に入っている悪夢を見たぐ

    弾圧が行われているとされる新疆ウイグル自治区で、実際に何が行われているのか?──『AI監獄ウイグル』 - 基本読書
  • 資本主義以外の選択肢を模索する、経済学者・政治家によるSF経済書──『クソったれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界』 - 基本読書

    クソったれ資主義が倒れたあとの、もう一つの世界 作者:ヤニス・バルファキス講談社Amazonこの『クソったれ資主義が倒れたあとの、もう一つの世界』は、『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』などで知られる経済学者にして政治家のヤニス・バルファキスによる、資主義に代わる制度についての提言を記した書というか、SF経済書というかといった感じの一冊である。 体裁としては完全にSF小説で、物語で中心になる時代は2025年と現代よりも少し先の未来。中心人物であるギリシャに住むコスタは、ユーザーの欲望を読み取り、それを擬似的に(脳内で)体験させる装置であるHALPEVAMと呼ばれるシステムを構築する過程で、偶然にも平行世界の自分と通信を確立することに成功し、自分(同名の人物でややこしくなるので、作中ではコスティ)とのやりとりを開始することになる。 で、このコスティ

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    yingze 2021/09/27
    一定の給与しかないはず中国の官僚が大金持ちになれるシステムと同じ気がする。
  • 世界2900万部超えの怪物中国SF三部作、ついに完結──『三体』 - 基本読書

    三体Ⅲ 死神永生 上 作者:劉 慈欣早川書房AmazonSFとしてはこの10年で最大の話題作である、作家劉慈欣による『三体』。その三部作が、先日刊行されたばかりの『三体III 死神永生』(ししんえいせい)でついに完結! 中国国で大いに盛り上がり、その後ケン・リュウによる英訳で米国を中心とした英語圏で大ヒット。日でも第一部が刊行されるや否や話題に火がつき、SFとしてはありえないような話題と部数が出た──と、国内外問わずその部数だけみても化け物級の力を持った作品だが、重要なのは部数より作品のおもしろさ、それ自体である。 寂寥感を覚えるほどの傑作 どれだけ部数を重ねようがおもしろさはどうだろうかという作品もあるわけで、作はどうなのよという話になってくるわけだけれども、これについてはもう何の疑いもなく、傑作であると断言することができる。それも、人生にそう何冊も訪れることのない、記念碑的な傑作

    世界2900万部超えの怪物中国SF三部作、ついに完結──『三体』 - 基本読書
    yingze
    yingze 2021/06/01
    2部は面白かった。1部は後半の正解するカド的ななんじゃこれ感が残念。
  • 精神病院に偽患者を送り込みその脆弱性を指摘した有名な実験は、実は間違いだらけだった──『なりすまし——正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験』 - 基本読書

    なりすまし——正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズIII-16) 作者:スザンナ・キャハラン発売日: 2021/04/21メディア: 単行(ソフトカバー)近年、かつて行われた有名な心理学系の実験が、再現実験の失敗やデータ不備の発見により、実は間違っていたという事実が次々明らかになっている。たとえば有名なものに、マシュマロ実験がある。この実験では、マシュマロを皿の上におき、「それは君にあげるけど、私が戻ってくる15分の間にべるのを我慢していられたらもう一つあげる」と指示する実験で、ここで自制し、より大きなリターンを得られた子供ほど、大人になっても優秀と判断される割合が大きかったことを示した。 1970年代に実施されたこのマシュマロ実験は話題になり、いろいろなノンフィクションで目にしていたから、当につい最近まで僕もこれは正しい実験だと思っていた

    精神病院に偽患者を送り込みその脆弱性を指摘した有名な実験は、実は間違いだらけだった──『なりすまし——正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験』 - 基本読書
  • 10年代SF傑作選から『サハリン島』まで、多数の傑作SFが刊行されたてんこ盛りな2020年を振り返る - 基本読書

    アンソロジーが記憶に残った年 今年を振り返って記憶に残ったのは、やはり10年という区切りの年だったこともあってか優れたアンソロジーが多数刊行されたこと。たとえば、『なめらかな世界と、その敵』の伴名練が編者に入った『2010年代SF傑作選1・2』(大森望・伴名練編)は野崎まどの笑撃作「第五の地平」から小川一水による数学SFの傑作「アリスマ王の愛した魔物」、ベテランから新鋭まで幅広く取り揃えたアンソロジーだ。 2010年代海外SF傑作選 (ハヤカワ文庫SF) 作者:ピーター トライアス,郝 景芳,アナリー ニューイッツ,ピーター ワッツ,サム・J ミラー,チャールズ ユウ,ケン リュウ,陳 楸帆,チャイナ ミエヴィル,カリン ティドベック,テッド チャン発売日: 2020/12/17メディア: 文庫今年は海外編も前回の年代別傑作選から十八年ぶりに『2000年代海外SF傑作選』、『2010年代海

    10年代SF傑作選から『サハリン島』まで、多数の傑作SFが刊行されたてんこ盛りな2020年を振り返る - 基本読書
    yingze
    yingze 2021/01/10
    第5の季節は挫折した。半分くらい読んだので褒めてほしい。あれがヒューゴー賞取ったのを聞いて、最近のヒューゴー賞の偏りっぷり実感。反逆航路や三体は手放しではないが楽しめたが、これは無い。
  • 『ギルガメシュ叙事詩』から『叛逆航路』まで、神話、SF、幻想、ファンタジィ中心の最高のブックガイド!──『世界物語大事典』 - 基本読書

    世界物語大事典 作者: ローラミラー,巽孝之,Laura Miller,越前敏弥出版社/メーカー: 三省堂発売日: 2019/10/11メディア: 単行この商品を含むブログを見るこの『世界物語大事典』はすごいだ! この世界には様々なが存在するが、その中でも「僅かなりとも現実から離れた」、つまり神話とかSFとか幻想、ファンタジィを中心に、太古の『ギルガメシュ叙事詩』から現代の『ハンガー・ゲーム』まで、幅広く紹介していく一冊である。 文字数的には1500〜4500ぐらいに収まり、深く解説しないものも多い。そうはいっても英語圏のみならず中国、日小説(『1Q84』とか)取り揃え、ざっとした内容紹介からその小説が当時どのように受け入れられたのか、どのような歴史的意義があるのかを解説していってくれるので、一言でいえばたいへん勉強になる一冊だ。 たとえば、叙事詩『ベオウルフ』とか「なんかベオウ

    『ギルガメシュ叙事詩』から『叛逆航路』まで、神話、SF、幻想、ファンタジィ中心の最高のブックガイド!──『世界物語大事典』 - 基本読書
    yingze
    yingze 2019/10/26
    この手の読んだ気になれるアンチョコ本って、未だにアップデートされてるのか。