共働き世帯にとって切実な、保育園の待機児童問題。厚生労働省の調査によれば、保育園の定員枠は着実に拡大しているが、都市部を中心に保育サービスは相変わらず不足している。経済評論家の上念司氏は「柔軟性を欠く全国一律の認可基準や補助金制度が、ニーズの高い地域での保育事業への新規参入を阻んでいる」と指摘する――。 保育定員が増えても待機児童が減らない理由 政府は、保育園の定員を増やす新たな枠組みを実施してきた。認定こども園、企業主導型保育所、自治体の認証保育所など、保育所の定員は確かに増えた。しかし、それでも待機児童がゼロにならない。働く女性の増加とともに不足した保育サービスの問題は、個人の力でどうにかなるものではない。 データを見ると、待機児童数は2014年までは減少傾向だったが、2015年から再び増加に転じ、2017年には2万6081人になった。保育所の数が減っているわけではなく、むしろ爆発的に