【書評】戦略的パートナーになれるか:小倉和夫著『日本の「世界化」と世界の「中国化」—日本人の中国観二千年を鳥瞰する』 Books 政治・外交 2019.04.05 日本は中国にどう向き合ってきたか。古代から現代まで膨大な文献を渉猟し、徹底的かつ客観的に考察した大著である。日本が世界第2の経済大国と戦略的パートナーの関係を築くには「新しい中国観」の確立が急務と説く。 中国への親近感はなぜ衰えたか 内閣府が2018年10月に実施した外交に関する世論調査によると、「中国に親しみを感じる」と回答した人は20.8%、「親しみを感じない」は76.4%だった。 この調査は日中平和友好条約が締結された1978年以降ほぼ毎年実施され、最初の数年間は親しみを感じる人が6割から8割に達したが、90年代後半以降逆転し、最近は親近感がない人の方が多数派である。 著者は本書の冒頭で「二十一世紀の現在、中国は、経済・