18日に起きた放火事件で多数の犠牲者が出るなどした京都市伏見区の「京都アニメーション」。日本のアニメ界を牽(けん)引(いん)してきた「京アニ」の強さの源は、人材育成にあった。雇用を安定させ、女性に活躍の場を与え、「全員一丸」の温かい組織から、唯一無二の作品が生まれた。京アニをよく知る京都文化博物館の主任学芸員、森脇清隆映像・情報室長は、「あまりにも不条理な出来事」と肩を落とした。 ■女性の活躍 森脇さんは、平成15年に同館で開催した映像イベントで一緒に仕事をして以来、京アニと深い関わりをもつ。そんな森脇さんの目に、京アニの人材育成のシステムは、まぶしく映った。 不安定な働き方が少なくないアニメ業界において、正社員を採用し、責任ある仕事を任せ、成長させた。さらに、女性に活躍の場を与え、女性の声を作品に反映させた。「京アニは、社長夫人がアニメの作画の手塗りを請け負ったことが始まりなので、女性の