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ブックマーク / bigakukenkyujo.blog.fc2.com (2)

  • 『会田誠の猟奇性』 永遠に逃れ去る少女たち

    会田誠『巨大フジ隊員VS キングギドラ』(1993)高橋コレクション蔵 ■欲望の過剰 前回の記事で会田誠作品の特徴を示しましたが、予告通り今回は会田氏の残酷描写やスプラッター表現、猟奇性にフォーカスして、その実相に迫りたいと思います。 会田氏が自ら公言している通り、氏の猟奇作品は月岡芳年や絵師金蔵の系譜を引き継いだものです。 以前の記事『無惨絵 日文化の裏地を染める鮮血』ギリシア悲劇との類似性でも言及しましたが、基的に無惨絵はギリシア悲劇と同じく「生命の過剰」が引き起こしたものと考えられます。 さらに次の画像からも分かる通り、無惨絵の兇暴なエネルギーは、老若男女区別なく被害対象として巻き込む、盲目的で無差別的なものです。 ある意味では火山の噴火などと同じような、自然現象に近いエネルギーの充溢・炸裂と見なすことができるでしょう。 左:丸尾末廣『新英名二十八衆句:フリッツ・ハールマン』右:

  • 『会田誠展:天才でごめんなさい』 現代における比類なき寂寥の美

    会田誠とその作品『灰色の山』(2009-2011)タグチ・コレクション蔵 新規事業等でバタバタと動き回っている中、当研究所のサウンドクリエイター松登氏に促され、息抜きに六木・森美術館で開催中の会田誠展「天才でごめんなさい」へ出向くことに。 90年代以降、日のローカルチャーをハイアートに接続する動きがアートシーンで活発化し、93年に『巨大フジ隊員VS キングギドラ』でデビューした会田氏の作品も、オタクカルチャーとの融合という文脈で語られることが多かったように思えます。 さらに四肢を切断された少女を描く『犬』シリーズが脚光を浴び、猟奇系アーティストとしてもイメージを強めていきます。 会田ファンはもちろん、まだその作品を実物で見ていない方や、勢いのある現代アーティストの一人に過ぎないという認識の方がいれば、ぜひとも展覧会に足を運んでみてください。 私自身、今まで会田氏に嵌め込んでいたイメー

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