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2013年2月21日のブックマーク (4件)

  • 『会田誠の猟奇性』 永遠に逃れ去る少女たち

    会田誠『巨大フジ隊員VS キングギドラ』(1993)高橋コレクション蔵 ■欲望の過剰 前回の記事で会田誠作品の特徴を示しましたが、予告通り今回は会田氏の残酷描写やスプラッター表現、猟奇性にフォーカスして、その実相に迫りたいと思います。 会田氏が自ら公言している通り、氏の猟奇作品は月岡芳年や絵師金蔵の系譜を引き継いだものです。 以前の記事『無惨絵 日文化の裏地を染める鮮血』ギリシア悲劇との類似性でも言及しましたが、基的に無惨絵はギリシア悲劇と同じく「生命の過剰」が引き起こしたものと考えられます。 さらに次の画像からも分かる通り、無惨絵の兇暴なエネルギーは、老若男女区別なく被害対象として巻き込む、盲目的で無差別的なものです。 ある意味では火山の噴火などと同じような、自然現象に近いエネルギーの充溢・炸裂と見なすことができるでしょう。 左:丸尾末廣『新英名二十八衆句:フリッツ・ハールマン』右:

  • 『会田誠展:天才でごめんなさい』 現代における比類なき寂寥の美

    会田誠とその作品『灰色の山』(2009-2011)タグチ・コレクション蔵 新規事業等でバタバタと動き回っている中、当研究所のサウンドクリエイター松登氏に促され、息抜きに六木・森美術館で開催中の会田誠展「天才でごめんなさい」へ出向くことに。 90年代以降、日のローカルチャーをハイアートに接続する動きがアートシーンで活発化し、93年に『巨大フジ隊員VS キングギドラ』でデビューした会田氏の作品も、オタクカルチャーとの融合という文脈で語られることが多かったように思えます。 さらに四肢を切断された少女を描く『犬』シリーズが脚光を浴び、猟奇系アーティストとしてもイメージを強めていきます。 会田ファンはもちろん、まだその作品を実物で見ていない方や、勢いのある現代アーティストの一人に過ぎないという認識の方がいれば、ぜひとも展覧会に足を運んでみてください。 私自身、今まで会田氏に嵌め込んでいたイメー

  • 森美術館の回答についての雑感 - ohnosakiko’s blog

    会田誠展について - MORI ART MUSEUM 森美術館での会田誠展に抗議が起こった件について、先日、森美術館は美術館の観客である一般の人向けの文面を美術館サイトに出した。現代アート業界で一般向けの言葉としてよく使われている決まり文句に満ちた、可もなく不可もないまるで”水のような”文面だと私は感じた(作家のコメントもそれと同じく無難なもの)。 そしてここから、森美術館は抗議側と議論のテーブルにつくつもりはなく、この件はこの一般向けのコメントをもって終わりとする(したい)のだろうという印象を受けた。 だとしたら、実に変な感じである。 AがBに直接「こういうのは非常に問題だ。やめてほしい」と抗議したのに対して、BはAを無視し、見守っているであろう「みなさま」(あるいは「大文字の他者」)に宛てて、「なんかいろいろ意見が出てるけど、うちの方針はこうだからよろしく」と言っているのだ。変でしょ、

    森美術館の回答についての雑感 - ohnosakiko’s blog
  • ホワイト・キューブからアーバン・パッサージュへ −大阪市立近代美術館のあり方への提言− 平成 22 年 1 月 近代美術館あり方検討委員会 目 次 はじめに .............................................

    ホワイト・キューブからアーバン・パッサージュへ −大阪市立近代美術館のあり方への提言− 平成 22 年 1 月 近代美術館あり方検討委員会 目 次 はじめに ..................................................................................................................................1 第Ⅰ章 今、つくるべきか.......................................................................................................3 1 近代美術館を取巻く情勢の変化.......................................................