ガボの必見・発見(必験・初験) 50代半ばの私として、残りの人生を考えると必見(験)だと思えること、またこの年で新たに発見(初験)できたことという軸で、美術・街歩き等を中心に書いていこうと思います。 私がバルテュスを知ったのは、マリオ・バルガス・リョサの小説「官能の夢」だった。 「キスをし、触れあい、愛撫しあったの、もちろん」と妻ははっきりと言った。彼女は再びまわるように歩きだし、ドン・リゴベルトの耳は歩くたびに起こる自乗の毛皮の擦れる音を認めた。思い出して熱くなっているのだろうかフ・「つまり、その場を動かないで、隅のところで。しばらく。わたしに塗り終わるまで。そのあと蜜だらけになったわたしをベッドに連れていったの」情景はあざやかで、イメージが強烈で、ドン・リゴベルトは『目がつぶれてしまうかもしれない』と怖れた。幻覚剤の悪夢に刺戟されて、サイケデリックな年月のなかで、光線で網膜を焦がして、
![『「称賛と誤解だらけの、20世紀最後の巨匠。バルテュス展」 東京都美術館』](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/caec979c38f0d370205e440dccb610334088d514/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fstat.ameba.jp%2Fuser_images%2F20140429%2F16%2Fshonan5333%2Fd1%2Fc9%2Fj%2Fo0800113112924079331.jpg)