第24回:美術館の壁が白い訳、 ホワイト・キューブについて この連載の第12回で、展覧会等で作品に添えられるキャプション(作者や制作年、あるいは材質・形状等)について書いた事がある。そして、キャプションが、実は19世紀になってようやく登場し、今やそれは作品鑑賞には不可欠な存在となった理由を、「作品を鑑賞することは、その作品の揺るぎない芸術的価値の確証を保証するテキスト“鑑賞”から始めなければならない。」と述べた。作品が、いつ誰によって制作されたか、を明らかにすることで、その真正性が担保されるのである。 今回は、作品とキャプションの関係と、なぜ美術館の壁が白いのか、あるいは白い壁に囲まれた展示空間=ホワイト・キューブがどうして誕生したのか、について考えてみたい。 さて、展覧会会場の添えられているキャプションを読みつつ作品を鑑賞するのか、あるいは、展覧会鑑賞において作品のキャプションはおろか、