一般市民を愚弄した「ヤマザキパンはなぜカビないか」 鈴鹿医療科学大学 教授 長村 洋一 始めに 一昨年の春先に渡辺雄二氏が「ヤマザキパンはなぜカビないか」 (緑風出版)という本を出版 されたが、 いつものくだらない非科学的な食品添加物排斥本と感じていたので店頭でパラパラと 見ただけで、買って読んでみることもしなかった。しかし、その後に知人から、 「ヤマザキパン に発がん物質の臭素酸カリウムが使われていてパンがカビない」という理論展開で、食の安全を 守る運動をしている人たちが、 あちこちの勉強会で問題として取り上げているという連絡をいた だいた。 このような運動を通して一部の方には “ヤマザキパンがカビないのは臭素酸カリウムが使わ れているからで、怖い毒物の入ったパンだ”と結構信じられ始めているようです。これは、4 年 前に出版された食品添加物を素人が誤解し、 一方的に排除するように安部司氏