サントリーの「値上げ」がビール業界に波紋を投げかけている。4月1日出荷分からのビール系飲料(ビール、発泡酒、新ジャンル)を値上げしたのだが、対象は樽と瓶だけで、缶入りは8月末まで価格を据え置くというのだ。 「容器別の値上げなんて前代未聞。再利用できる樽と瓶より、缶のほうがコスト負担は大きい。価格据え置きは『最需要期の7~8月まで安売りします』と宣戦布告しているようなもの」とライバル会社は怒りを隠さない。 すでに、キリンビール、アサヒビールは缶入りを含むビール系飲料の値上げに踏み切っている。サッポロビールもサントリーと同じ4月1日に値上げした。したがって、缶入りに関する限り、サントリーだけが「安売り」されていることになる。 あるマーケティング調査会社のレポートによれば、3月時点でサントリーの発泡酒、新ジャンルの350ミリリットル缶6本セットの平均店頭価格は、スーパー、酒ディスカウンター