フィクションの世界において、作中では知性派で優秀な頭脳を持っていることになっているものの、キャラクターは作者の創造力を超えることはできないという制約ゆえに、読者からするとものすごいバカに見えてしまうという状況がある。これはキン肉マンのミート君にちなみ、ミート現象と呼ばれている。 もちろんキン肉マン以前にもミート現象は多々発生していたのだが、読者のレベルも低かったため、あまり気にも止められることもなかった。というわけで今回は、明治43年のミート現象を紹介してみよう。 まず下記の講談速記本から引用した文章を見ていただきたい。 春日後日宮嶋大仇討 玉田玉秀斎 樋口隆文館 明治43(1910)年 『孔明も三舎を避ける、楠木正成も裸足で逃げる』とあるため、どのような策略かと思ってしまうが、その実態は舟に乗った人を川に落して石を投げるというものである。孔明はこんなこと考えないと思う。 策略を実行した結