学園ドラマには定番のフォーマットがある。熱血教師でも、冷血教師でもいい。何かしら常識の枠から外れた先生がやってきて、問題児だらけのクラスに風穴を開けていく。ドラマ『宙わたる教室』(NHK総合)も筋書きだけを見れば、このフォーマットにのっとっている。 主人公である藤竹(窪田正孝)は、研究論文が世界的な学術誌に掲載されるほど優秀な研究者。だが、突然そのキャリアを大きく転換させ、定時制高校の教師となる。目的は今のところ謎。変わり種の先生という意味では歴代の学園ドラマの系譜に連なるものがある。 そんな藤竹が、定時制高校に通う生徒たちと向き合い、それぞれの抱える問題にかすかな光を照らす。この流れも、王道中の王道。定時制という舞台は特殊だが、過去にも『めだか』(フジテレビ系)や『夜のせんせい』(TBS系)という前例があった。だから、設定が新しいわけでもない。 なのに、『宙わたる教室』には静かで清新な躍