建築家坂口恭平さんは2011年3月の東日本大震災後、妻子を連れ、東京から熊本に帰郷した。熊本市中央区内坪井町の借家を「ゼロセンター」と名づけ、福島県から避難した人たちを無償で受け入れ。夏休みには50人の子どもを3週間招待した。ボランティア団体などからの寄付もあったが、坂口さんが多額の費用を負担。路上生活者の家を紹介する写真集「0円ハウス」で世に出た坂口さんは「お金」に関する考え方も極めてユニークだ。 ――福島の子どもたちを昨夏、熊本に招待した時に「なけなしの150万円」を使ったそうですね。 「困っている人は助けないといけない、命が危ない人は、全てを投げ出しても助けないといけないと小さい頃から思ってきました。できる範囲でそうしています」 ――多額の費用を負担してまで他人を助ける人はあまりいません。 「そもそもお金とは何でしょう。紙幣には日本銀行券と書いてある。日本銀行は認可法人です。日本銀行