新年度を前に、入学や就職で引っ越す人が増えるこの時期。同じく増加するのが賃貸住宅の退去に伴うトラブルだ。「高額なクリーニング費を要求された」「敷金に追加して修繕費用を請求された」など、予想外の出費につながってしまうケースも。トラブルなく、気持ちよく転居するにはどうすればいいのだろうか。(佐々木詩)解釈でもめる 「賃貸住宅の退去時トラブルは非常に多い。原状回復が求められるが、その『原状回復』の解釈でもめるのです」。今月1日、大阪市立住まい情報センター(大阪市北区)で開かれたセミナー「必勝!引越し術」で、講師を務めた大阪市消費者センターの辻井善寛副所長は60人以上の受講者を前に力説した。 「原状回復」とは何か。賃貸住宅の退去をめぐるトラブル防止のために国土交通省が作成した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、借り主が住んだり使用したりすることで発生した損失のうち、借り主の故意や過