(フィナンシャル・タイムズ 2014年1月22日初出 翻訳gooニュース) マーティン・ウォルフ 世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)で私は、安倍晋三首相の話を1日で2度も聞いた。その上で私も同僚ギデオン・ラックマンの判断に同意せざるを得ない。安倍首相は、中国との衝突を考えられないものとは思っていないようなのだ。 それは現実的な考え方なのかもしれないし、そういう現実主義こそがこの世界をそういうとんでもない凶事から救うのかもしれない。けれども私は恐ろしくてたまらない。特に安倍氏がほとんど気楽な調子で、第1次世界大戦を引き合いに出したのが、強く印象に残った。このような戯言には米政府がもっとピシリと対応してくれることを願う。 首相への私の質問は、アベノミクスの「第三の矢」についてだった。第三の矢とは構造改革のことだ。質問するにあたって私は、労働人口が縮小しつつある先進国経済で、どう
ほぼリアルタイムでの処理をいち早く実現し、かつては「世界一の決済サービス」と言われていた日本の銀行振り込みシステムが今や後れを取っている。 日本の銀行間の振り込みは、ほぼ全ての金融機関が接続する「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」の下で、平日の日中時間帯にはリアルタイムで処理されているが、夕方以降や週末、祝日には決済サービスは提供されていない。これに対し、英国など一部の国は「24時間365日」リアルタイムでの送金が可能な振り込みシステムを既に導入。米国やオーストラリア、シンガポールなど他の国も英国に追随する動きを見せている。 携帯端末などのハイテク技術が日々急速に発展する中、即時の入金や送金を可能とする利便性の高い決済サービスはこれまで以上に求められている。とりわけ、調達から在庫管理に至るまで一層の効率化と高速化が求められている国内外の企業にとっては、取引上必要とされる代金決
(毎日新聞) 日立製作所の中西宏明社長は9日、毎日新聞のインタビューに応じ、情報・通信システム事業や鉄道事業の本社機能の一部を来年にも海外に移転する方針を明らかにした。 海外に移転するのは売上高目標や投資などの計画を立案する「コントロールタワー」と呼ばれる事業戦略部門。従来は日本で戦略を練っていたが、中西社長は「市場の一番盛り上がっているところ、変化の激しいところにコントロールタワーを持っていくことが重要。いろいろな判断を現地側でやらないと本当の成長はできない」と移転の意義を語った。日本から社員の一部を異動させる。 情報・通信システム事業の戦略部門は米国に移転する。日立はIT(情報技術)事業を強化することで、北米地域での売上高を2015年度に12年度比約1.5倍の1兆1000億円に拡大したい考えだ。本社機能の一部移転で事業拡大を加速させる。 鉄道事業は英国に移転する。昨年7月に英国の
昨年12月、大阪市立桜宮高校のバスケットボール部のキャプテンだった男子生徒(当時17歳)が体罰を苦にして自殺した事件で9月5日、男子生徒への傷害と暴行の罪で起訴された当時の顧問教諭、小村基(はじめ)被告(47)の初公判が大阪地裁であった。起訴の決め手になったともされる「ビデオ映像」が公開され、法廷に戦慄(せんりつ)が走った。 小村被告は、起訴内容を認め、遺族に深々と頭を下げて謝罪した。だが、検察側が証拠として、自殺前日の昨年12月22日、桜宮高校であったバスケットボール部の練習試合を撮影したビデオ映像を公開すると、法廷の雰囲気が変わった。 この映像は体育館の2階から撮影されていた。試合中にもかかわらず、小村被告はプレーをしていた男子生徒を平手で殴りつけた。さらにコートの中を追いかけ、体育館の壁に追い詰め、逃げられないようにして20発ほども殴り続けていた。 バチン、バチンという平手打ち
解雇したい人間を押し込め、じわじわと追いつめる「追い出し部屋」。これは、民間企業だけではなく、公的機関である「大学」にも存在する。 その場所は、「教職員研修室」の名で呼ばれていた。名古屋女子大学文学部教授として教鞭をとっていた谷口富士夫(たにぐちふじお)さん(55)は昨夏まで、この「部屋」で、日本漢字能力検定の過去問を解かされ、何度もリポートを書かされ、文章作成などの業務を行っていた。当時を振り返って谷口さんはこう言う。 「いつ何をさせられ、今後どうなるかわからない状態…。心理的に追いつめられていました。まさに追い出し部屋です」 学園の法人本部から突然呼び出しを受けたのは一昨年6月。指示通り、本部がある汐路(しおじ)学舎の会議室に行くと、事務方の中間管理職の男性からこう告げられた。 「漢字能力検定の1級と2級の過去問題を解くように」 学生による授業評価アンケートの結果が低かったため、
留置場で起きた公務執行妨害事件の対応が適切だったと装うため、大阪府警の複数の警察官が虚偽の調書を作っていたことが朝日新聞の取材で分かった。事件で起訴された被告の裁判で、警察官2人が虚偽調書に沿って事実と異なる証言をしたとして、審理がやり直される事態になっている。府警は組織的な隠蔽(いんぺい)工作の可能性があるとみて、大阪地検と連携して虚偽有印公文書作成・同行使と偽証の容疑で捜査を始めた。 相次ぐ不祥事を受け、警察庁は昨年8月に「組織的隠蔽の根絶」などを柱とした防止策を打ち出した。今回の問題はこれ以降に起きており、警察の隠蔽体質の根深さが改めて浮き彫りになったといえる。 関係者によると、昨年12月2日、覚醒剤取締法違反容疑で逮捕され、堺署に勾留されていた男性(40)が留置場で騒いだ。男性は署内の「留置保護室」に収容しようとした留置管理課の巡査長(33)の顔を殴ったとして、公務執行妨害容疑
福島県の衆院選は、自民圧勝という結果に終わりました。この結果は住民の意識が変化したというよりも、むしろ政権交代以前の状態に戻ったとも言えます。福島2区の郡山市、旧市街地に住む私の主観ですが、そこで投票した多数の住民たちは、自民党への期待感よりも、他に託せる候補者がいないという理由による判断を下したではないか、と感じられます。 地方政治での得票には、政党や政策より先に、長く培われてしまった地元の人間関係や、利権のようなものも深く絡んでいるのは事実です。今回もその影響が無かったとは言えないでしょう。 ですが、その地方での人と人とのつながりが、全て悪いとも限りません。地元に強いという事は、その地での人間関係を重視しているという事でもあります。震災時にその繋がりがいち早い救済行動に繋がったという事実もありました。 先の選挙の際には、政権交代で全てが変わると言わんばかりの華やかな報道がされていました
わりと有名な話なのだが、実は、私は生まれてこの方、有効票を投じたことがない。正確に言うと一度だけ投票所に足を運んだことはあるのだが、投票用紙に俳句をひとつ書いて帰ってきてしまったのだ。 うん。自慢できる話ではない。 というよりも、ある時、ある機会を通じてこの話を公にしたところ、私は、あらゆる方面から、かなり盛大な勢いで説教をくらうことになった。以来、思い出したように、色々な機会で、様々な皆さんに説教を頂戴している次第だ。 「選挙に行かないだけならともかく、それを誇らしげに公言するとはなにごとだ」 「投票回避は言論人としての自殺行為に等しい」 「いや、自殺教唆に値する」 「っていうか殺人じゃないのか?」 反省している。 口に出すのじゃなかったと思っている。 「ん? ということは、投票をしなかったことそのものは反省していないのだな?」 ……むずかしい質問だ。 が、今回は、さすがに答えなければな
離党、移籍、結党、解党、合流……政党や所属議員めまぐるしい動きの末に、12の政党が総選挙に臨むことになった。衆議院の解散以降、できたと思ったら消滅した政党があり、慌ただしく作られた政党があり、主要政策や幹部の言うことに変遷や食い違いがある政党もある、と言った具合で、主張や実像が分かりにくい。文字で書かれている公約を比べるだけでなく、討論会やインタビュー、街頭演説などを含め、私たちは自分の五感をフル稼働させて、それぞれの候補者や政党を見極めなければならない。 大事なのは、「今、何を言っているか」ではなく、「選挙後に、何をどうやるか」だ。予知能力などまるでない、私のような凡庸な人間が、選挙の後の数年間を予測するのは無理だ。けれども、がんばらなければいけない。なぜなら、日本は今後ますます深刻な状況に陥っていくことが予想されるうえ、最近の選挙を振り返ると、「今」話題になっている課題や、 人々の「今
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