概論 映画を見た事がない人でも〝ゾンビ″といえば「死体が動き、人を襲うモンスター」という認識があるだろう。このモンスターとして〝ゾンビ″を定義づけたのがホラー映画の金字塔でもある映画「ゾンビ」だ。この映画以前の〝ゾンビ″にはモンスターとしての性格は皆無に近く、 ロメロ監督の前作を経て、本作「ゾンビ」でドラキュラ等に並ぶモンスター性を確立した。本来、ブードゥー教の使役者でしかなかった〝ゾンビ″にモンスターとしての性格を与えた功績は大きく、現在〝ゾンビ″というモンスターは全て本作の影響下にあるといっても過言ではない。 しかし、原題は「DAWN of the DEAD」であり、本編中で〝ゾンビ″の単語は1回しか出てこない。彼らの呼称も「ヤツら」や「甦った死体」である。では、何故「ゾンビ」と呼ばれるのか?これはバージョン違いに密接するのだが、監督であるロメロと製作に大きく関わったダリオ・アルジェン