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ブックマーク / diary.uedakeita.net (10)

  • 足立区生物園の生きものたち - 真顔日記

    もう一年ほど前になるが、足立区生物園という所に行った。動物園ではなく生物園。不思議な名称だが、たしかに動物とくくるには多様すぎる生きものがいた。ヘラクレスオオカブトがいたり、チョウチョが庭園を飛んでいたり、巨大な水槽で金魚たちが泳いだりしていた。 別の水槽にはゲンゴロウまでいた。ゲンゴロウの一般的な知名度は分からない。私は名前が面白くて子供の時に覚えたが、何も知らない人が読むと水槽の中でおっさんを飼育している非人道的光景を想像してしまうかもしれない。 ゲンゴロウは水辺の昆虫である。久々に実物を見た。ヒレのようなものを使って、水中をスイスイと泳いでいた。色は黒く、そのかたちは扁平な小石に似ていた。ゲンゴロウと小石を区別する方法を考えた。水にいれて、沈むのは小石、沈まないのはゲンゴロウ、そして僕は上田。 よろしく。 生物園にはもちろん動物もいた。しかし、普通の動物園の常連組とは違ったメンツだっ

    足立区生物園の生きものたち - 真顔日記
    yone-yama
    yone-yama 2020/09/06
  • 女子大生の聴くaikoに負けた - 真顔日記

    先日、この日記を読んでいる十九歳の女子大生と話す機会があった。当然のようにaikoの話になったんだが、彼氏とうまくいってない時によくaikoを聴いていたと言われて、勝てないと思った。なんというか、勝てない。リアルさにおいて勝てない。aikoとの関係性において、私は圧倒的に敗北していた。この日記でどれだけ「俺はaikoだ」とわめいたところで空しいだけだ。 あの女子大生は呼吸するかのような自然さでaikoになっていた。一挙手一投足が、そのままaikoとなる。女の人生には、そんなひとときがあるものだ。しかし私は人の家の物置に住みついて、真夏に汗だくになりながらパンツ一丁でaikoを聴いていた。毛むくじゃらの脚がむきだしになっていた。そんな状態で、「俺はaikoだ、俺はaikoだ」とうわごとのように繰返していた。 こんなものは、頭のおかしくなった妖怪じゃないのか。 妖怪aikoすすり。人の家の物置

    女子大生の聴くaikoに負けた - 真顔日記
    yone-yama
    yone-yama 2020/04/22
  • 一人の男がaikoという沼に沈むまで - 真顔日記

    熱心に音楽を聴きはじめたのは中学生の頃だった。以来、さまざまなミュージシャンと勝手に関係を結んでは勝手に離れることをくりかえしてきたが、その経験から言えば、あるミュージシャンに深くハマる場合、その出会いは激烈でないことが多い。 たとえば、はじめて知るミュージシャンの曲にガツンとやられた場合、意外とその一発目のガツンがピークであることが多い。これは漫画家や小説家にも言える。雷に撃たれるような出会いよりも、泥沼に沈んでいくような関係のほうが長続きするとでも言えばいいか。 ということで、aikoとの出会いを思い出せないわけである。気づけばaikoばかり聴いていた。aikoという沼に沈んでいた。aikoという沼から私の手だけが出ている。肩までどっぷりどころの騒ぎではない。頭まで沈んでいる。沼から出ているのは右手だけ。それが私の現状である。 いかにして、私はaikoという沼に沈んだか。 認知と無関心

    一人の男がaikoという沼に沈むまで - 真顔日記
    yone-yama
    yone-yama 2020/04/21
    “そこで発せられる言葉があるとすれば「俺はaikoだ」である。さらに沈めば「aiko」である。”
  • aikoとゴリラの雪どけ - 真顔日記

    ゴリラの問題は終わったと思っていた。それは過去のことだったはずだ。aikoとゴリラの綱引きは終った。私はもはやaikoとなった。それでよかったはずだ。しかし今ふたたび、ゴリラが問題としてせりあがってきている。aikoとゴリラの綱引きは終っていなかった。 だが、このブログにおけるゴリラにせよ、aikoにせよ、特殊な用語になっているのは事実だ。それは一般的な意味合いからかけ離れている。混乱を避けるためにも、まずは整理しておいたほうがよいだろう。 数年前、「aikoとゴリラの綱引き」という文を書いた。それをaikoの勝利に終わらせた。これが当時の結論だった。「ゴリラとしてふるまえ」という社会からの要求によってゴリラのように振るまっていた男がいて(ハリボテとしてのゴリラ)、その男が自己の内側に、背の低い女としてのaikoを発見する。その発見によって、ゴリラ的なものとaiko的なものの葛藤が起こる(

    aikoとゴリラの雪どけ - 真顔日記
    yone-yama
    yone-yama 2019/03/27
    "(aikoとゴリラの綱引き)。"?
  • aikoは「元気な女」なのか? - 真顔日記

    aikoは「あたしとあなた」について歌う。するとそこには「ウフフ、アハハ」とでも言うべきイチャイチャ感が出てきそうだが、aikoはこれだけ恋愛の歌を歌っていながら、イチャイチャ感のある曲をほとんど書いていない。そこには常に緊張があり、不安があり、恐怖がある。 「あたし」と「あなた」の間には溝があり、完全な合一に至ることはない。これは「付き合っている・いない」には関係がないようだ。aikoにとって人の心は常に変化するものであり、付き合っているという事実も、関係の永遠性を保証してはくれない。 人間関係に対する根的な不安が、aikoの声の質を規定している。たとえば、aikoが「ずっとそばにいるから」と歌うとき、その声は「ずっとそばにいる」ことを完全には信じられていない。言葉と声が分裂している。 不安定な関係の海のなかで、なんとか自分たちの乗ることのできる筏を作ろうとする。それがaikoの声であ

    aikoは「元気な女」なのか? - 真顔日記
  • ネコと仲良くするさまざまな方法 - 真顔日記

    月に一度、杉松の家に行っている。そして5匹のネコたちと再会する。ネコは私のことを完全には忘れていない。しかし住んでいた時の態度とも微妙にちがう。少しだけよそよそしくなっている。その態度にショックを受ける。 何度か帰るうちに分かってきた。ネコは私を「○○してくれる人」として認識している。だから久々に登場したときは反応がうすい。しかし住んでいた当時にしていたことを試すと、一気に思い出してくれる。これが、たまにしか会わないネコと関係を維持するためのテクニックなのか。 具体的な方法がネコごとにちがうのも面白い。セツシと菊千代という二匹のネコは棒をふって遊ぶと思い出してくれる。なんとなく小学生男子といった風情だ。ネズミのオモチャを投げてやることも効果的。うれしそうに走っていき、くわえて持ってきてくれる。「オモチャで遊んでくれる人」と認識されているんだろう。 影千代というネコは簡単である。何もしなくて

    ネコと仲良くするさまざまな方法 - 真顔日記
    yone-yama
    yone-yama 2018/11/14
    "飼い主の布団でいきなり放尿したりする。aikoリスナーを代表して言わせてもらうと、こんな行動はaiko的世界に登録されておりません"いやそうでもないぞ
  • 自称aikoのどうしようもなさ - 真顔日記

    あいかわらずaikoを聴いている。 というか、この書き出しはもはやこの日記において、「あいかわらず酸素を吸っている」くらいの意味にしかならない気もするが、あいかわらず聴いている。何度聴いても、自分のことを歌っているとしか思えない。私の中にはaikoがいる。 はじめのうち、自己の内側にaikoを感じることは特殊な体験のように思えるが、やがて慣れて気にならなくなる。すると自分がaikoであることはただの常識になる。一月の次に二月が来るように、私の中にはaikoがいる。だからこの日記でも当然のように、俺はaikoだ、俺はaikoだと繰り返してきた。 しかし、人に会うとだめだ。 先日、ブログを読んでいる知人に、「上田さんは自称aikoですもんね」と言われた。ひさしぶりに客観的な立場から自分を見た。これはやばい。自称アイドルや自称クリエイターと比べても、自称aikoのやばさは飛び抜けている。だって自

    自称aikoのどうしようもなさ - 真顔日記
    yone-yama
    yone-yama 2018/04/23
    “aikoのおことばが登場して議論が打ち切られる”
  • http://diary.uedakeita.net/entry/2016/12/13/051753

    http://diary.uedakeita.net/entry/2016/12/13/051753
    yone-yama
    yone-yama 2018/03/16
    選曲完璧過ぎグウの音も出ない
  • バニラのにおいがするタイニーな女の子には勝てない - 真顔日記

    aikoの初期に『二時頃』という曲がある。男といい感じになったのに、その男には命の女がいたという歌である。まだ初期だから歌声に濁りがある。とくに最後、aikoは「思ってくれたかな」を「オボオてくれたかな」と歌っている。そこでいつも心を持っていかれる。 このあいだ出たアルバムの初回盤には再録が入っているが、そこでのaikoは『二時頃』をさらりと歌いこなしていて残念だった。「思ってくれたかな」と綺麗に歌っていて、オボオ待ちをしていた私は肩すかしを喰らった。『二時頃』に関してはやはり最初の録音がよいと思う。 ここからが題である。この曲は歌詞も最高なんだが、とくに終盤、aiko命の女の存在に気づくところ、 当は受話器の隣 深い寝息をたててる バニラのにおいがする タイニーな女の子がいたなんて ここが最高である。たしかに、「バニラのにおいがするタイニーな女の子」には勝てない。ものすごく説得

    バニラのにおいがするタイニーな女の子には勝てない - 真顔日記
    yone-yama
    yone-yama 2018/03/16
    "「〇〇のにおいがする〇〇な女の子」というフォーマットを考えた時、「あの人の本命の女」としてベストなのはやはり「バニラ・タイニー」である。さすがはaikoで、こういうところは的確にピシッと決める"それな
  • かわいいは作れるけど作れない - 真顔日記

    去年の秋、近所の並木道を歩いていた。すると木の葉が落ちてきた。しかし私は気づかずに、しばらく頭に木の葉をのせたまま歩いてしまった。 その結果、化け忘れたきつねみたいになっていたんだが、あのときの自分、異常にかわいかったんじゃないか。三十すぎた男の言うことじゃないが、頭に木の葉をのせたまま歩いちゃう俺、超かわいいと思う。 もしも女の子の頭に木の葉が落ちてくる瞬間を目撃したら、それだけで好きになってしまいそうだ。たとえば対面でカフェテラスに座っていて、向こうはうれしそうに何かを話していて、その頭にひらりと木の葉が落ちてくる。その一瞬だけで恋に落ちる自信がある。その後、木の葉に気づいた女の子が、照れながら自分と視線を合わせれば最高だ。私は空を見上げて、太陽に「ありがとうッ!」と言う。なんとなく、いちばん巨大なものに感謝したいので。 大学生の頃、彼女が部屋に泊まりにきた。真夏の夜だった。私たちは二

    かわいいは作れるけど作れない - 真顔日記
    yone-yama
    yone-yama 2018/03/12
    "aikoへと向かう強い流れを感じる。激しい渦が文章を飲み込もうとしており、その渦の中心には常にaikoがいるのだ"
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