杉本は肉でも魚でも野菜でもデブでもブスでも食べられる雑食であることは知っていたのだが、林田の食の嗜好が究極寄りなのか至高寄りなのか知る由もないので素直に、食べられないものはあるか、と尋ねたところなんでも食べられると言うので、くほほ、雌豚めが、と目の奥を鈍く光らせつつ懐中電灯片手に山へ分け入り木の根元に生えている茸を取って鍋にして食べさせたらその大半が紅天狗茸であったので二人共激しく痙攣した後、虹色の幻覚に包まれながら酷い下痢と嘔吐を撒き散らしてその場に崩れ落ちた。俺は二人から財布を抜き取ると新大久保のコロンビア人たちに連絡を取り、楊偉民に復讐を果たすために横浜へと飛んだ。 ということもなく、以前杉本がやってきたときに訪れた牛や豚の内蔵を焼いて食べさせる店の向かいに新規開店した同店の姉妹店に行った。なにしろ随分と時間が経っている話であるので記憶が曖昧であり、ここで何を注文したかすらすら言える