タグ

ブックマーク / natrom.hatenablog.com (4)

  • 「宝くじの誤り」 - NATROMのブログ

    宝くじの誤り」とは、「中には大きな利益を得る人もいるかもしれない」という理由で利益が害よりも大きいことが証明されていない医療行為を容認する考え方を表すために私が提案したい言葉である。医療行為には不確実性がある。公的に推奨されている医療行為でも利益はなく害だけを被る人もいるが、集団全体では害よりも利益が大きいとされている。害よりも利益が大きいと十分に証明されていなかったり、逆に利益よりも害が大きいと証明された医療行為は推奨はされていない。 宝くじを購入する行為の金額の期待値はマイナス*1であり、宝くじを買った集団全体では損の方が利益より大きい。しかし、少数ながら、きわめて大きな利益を得る人もいる。宝くじを買う人たちのほとんどはそうしたことを承知の上で宝くじを買うのだろう。ならば、集団においては害が大きくてもきわめて大きな利益を得る可能性があるなら、推奨されていない医療行為を受ける自由だって

    「宝くじの誤り」 - NATROMのブログ
  • 患者家族とのトラブル - NATROMのブログ

    埼玉県ふじみ野市において、訪問診療をしていた医師が患者の息子に散弾銃で撃たれ死亡するという事件が起きた。患者である母親が亡くなったことがきっかけになったという。事件については報道でしか存じ上げないし、これから新事実が出てくるかもしれない。この記事は、医療職と患者家族の関係の難しさの一端について知ってもらうのが目的であって、個別の事件において真相はこうだったのかもしれないといった推測ではない。 また、以下に述べる事例は、私の見聞きした経験をもとに改変したものであり、事実そのままではない。仮に当事者が目にしたとしてそれが自分たちのことであるとはわからないようにまで変えてある。ただし、問題の質については伝わるはずだ。ご理解をいただきたい。 患者さんがよいケアを受け、病状が改善することをご家族が願うのは当然だ。ただ、その願いがきわめて強い患者家族がいらっしゃる。介護のためにご家族が仕事を辞め、ず

    患者家族とのトラブル - NATROMのブログ
  • ワクチンを接種しない人を批判してはいけない - NATROMのブログ

    新型コロナウイルスワクチンが、日でも今年の2月から順次接種される予定だ。発症予防と重症化予防の効果は確かで、短期的な安全性も海外で数万人単位の臨床試験および千万人単位での実地での接種が済んでおりほぼ確認されている。重篤な副作用はあるが頻度は十分に小さく、害より利益が上回るのは明確だと私は判断し、順番が来た時点ですみやかに接種を受けるつもりである。 しかしながら、他者への感染予防効果については、効果は示唆されるものの、現時点では確実とは言えない*1。また、当然のことであるが1年以上を単位とした長期的な副作用の有無はまだわからない。ワクチンを接種するのをためらい、保留する人がいるのは当然のことだ。あるいは、どんなにまれであっても重篤な副作用が起きる可能性があるワクチンを接種したくない人もいるであろう。 どのような医療を受けるかを決める権利は人にある*2。もちろん、ワクチンについてもそうだ。

    ワクチンを接種しない人を批判してはいけない - NATROMのブログ
  • 何も悪いことをしていなくても人々は病気になる - NATROMのブログ

    がんを治すことが証明された事療法は、現時点では存在しない。がんになりにくい事ならある程度はわかっていて、がんの患者さんについても、基的にはそうした健康的な事が推奨されている。詳しくは ■がん体験者の栄養と運動のガイドライン:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] を参照して欲しい。なにも特別なことはない。「健康的な体重へ減量し、その体重を維持しましょう」「野菜、果物、全粒穀物を多く含む事パターンにしましょう」といったものだ。べてはいけないものはない。当たり前だが、健康的な事をしていてもがんになるときはなる。ましてや、がんを治す効果はない。 何度も書いてきたが、がんに対する厳格な事療法は、効果が不明確なわりに副作用が大きい。単純に栄養の偏り(野菜ジュースを大量に飲むためほかの事が摂取できない、など)が体力を落とす以外にも、自分の好きなものをべられない、とい

    何も悪いことをしていなくても人々は病気になる - NATROMのブログ
  • 1