◎大成功したアート・プロジェクトの記録 水牛健太郎 現実の政治社会状況と切り結んだアート・プロジェクトとして名高いクリストフ・シュリンゲンジーフによる「オーストリアを愛せよ」。F/T14の映像特集の1本として上映された「外国人よ、出て行け!」はその記録である。 このプロジェクトは2000年のウィーン芸術週間の1作品として、隣国ドイツから気鋭のアーティスト・シュリンゲンジーフを招いて制作したもの。1週間にわたりウィーン歌劇場の真正面に設置されたコンテナ・ハウスの中に12人の亡命希望者を滞在させ、通りすがりの人が小窓から彼らの生活を見ることが出来るようにした。さらにビデオカメラによる内部の映像が24時間ネット中継される。そして、視聴者の投票により、彼らのうち1日に1~3人ずつを国外追放するという触れ込みである。1週間後に残った最後の1人にはトップ賞として賞金とオーストリアへの滞在許可が与えられ