国会論戦はお嫌いですか? 左から菅義偉、安倍晋三、岸田文雄の歴代首相=首相官邸で2015年、後藤由耶撮影 例えば、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」を巡って不測の事態が起き、新たな法律が必要になった場合、国会が開いていなければすぐには対応できない。そう、日本の国会には世界でもまれな会期制度があるのだ。諸外国では「通年国会」が当たり前だが、やはり日本の常識は世界の非常識らしい。 「会期を設けない通年国会の議論を経験しているのは、生きている人間では僕くらいじゃないかな」。そう語るのは、元参院議員の平野貞夫さん(86)である。平野さんは国会議員になる前は、1959年から衆院事務局職員として33年間勤務した。衆院議長の諮問機関である議会制度協議会では事務局を務めただけに、政治家による通年国会の論戦が白熱した当時を懐かしそうに振り返るのだ。 協議会でその機運が盛り上がったのは、田中角栄内閣時