江戸では「損料(そんりょう)屋」が庶民に重宝されていた。鍋、布団などの日用品や衣装を貸し、料金を受け取る。レンタル業者のはしりだ。当時の長屋は6畳程度で家財道具を置く場所もない。火事も頻繁に起きたからモノを持たないのは合理的選択だったかもしれない▲再び、モノを持たない時代が来るのか。「サブスクリプション」と呼ばれる米国発の定額制ビジネスの一形態として、高級車やブランド品、絵画などの分野で新しいレンタルサービスが次々に登場している。毎月定額で好きな品を選ぶことができ、取り換えも可能というのがうたい文句だ。最近はヤマハが埼玉県限定で中古バイクの定額レンタルを始めた▲ネット、スマホの発達で音楽や映像の配信も定額料金制が定着した。CDやDVDというモノを必要としない点ではレンタルと通じるところがある。メルカリなどシェアリングエコノミーも同じ流れだろう▲高度成長期にはテレビ、冷蔵庫、洗濯機の「三種の