戦闘開始から1年と経たずに追い詰められ、誤算が続くロシア。核のボタンを握る孤独な独裁者が指導する大国は、これからいかにして未来を切り開くことができるのか。西側諸国はプーチン後のロシアをどのように扱えばいいのか──。『この世界の問い方 普遍的な正義と資本主義の行方』(朝日新書)を上梓した社会学者の大澤真幸氏に聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト) ──本書の中で、「プーチンは、ヨーロッパへの劣等感やルサンチマンを持っている」「ヨーロッパを選んだウクライナに、ロシアが見ているのは、否認し、斥けようとした自分の姿である」こう書かれています。ロシアのウクライナ侵攻には、日本人には見えにくい国家が抱える心理的な葛藤があるという印象を受けました。改めて、なぜロシアがウクライナに侵攻したと考えますか。 大澤真幸氏(以下、大澤):この戦争がどうして起きているのかということを考えてみると、プーチン
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