要旨 今後、科学技術によって少子高齢化に積極的に対応していくためには、国民一人一人が科学技術に関する基礎的な知識や能力を備えていることが重要な基盤となるが、現状は、国民の科学技術に対する関心、理解度は国際的にも低い水準となっている。このため、研究者をはじめとする科学技術の側から国民への積極的な双方向コミュニケーションの働きかけ、初等中等教育段階における学校での取組等を進め、人々の間に科学技術への共感と信頼を醸成していく必要がある。 また、科学技術に携わる人材の活躍の場は今後ますます広がり、その重要性が高まっていく。少子高齢化による労働力人口の減少が見込まれる中で、社会ニーズに応じた多様な科学技術関係人材の質・量を養成、確保していくこと、そして、その一人一人が年齢、性別、国籍などに関わらず、その能力を十分に発揮できる環境づくりを進める必要がある。 1.人々とともにある科学技術 (1)一人一人