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ブックマーク / honz.jp (4)

  • ヒトは自らを家畜化したのか 『キツネを飼いならす 知られざる生物学者と驚くべき家畜化実験の物語』 - HONZ

    作者: リー・アラン・ダガトキン,リュドミラ・トルート 出版社: 青土社 発売日: 2023/11/27 キツネの家畜化実験、ナショナルジオグラフィックなどで紹介されたりしているので、その驚くべき成果の概要をご存じの方も多いだろう。かくいう私も人並みならぬ興味を持ってこの壮大な研究を見つめてきたのだが、その裏で、研究成果にも劣らぬ人間ドラマがあったとはまったく知らなかった。主人公はふたり。ひとりはキツネの家畜化実験を考案し、1952年に始動し1985年に亡くなるまで従事し続けた遺伝学者ドミトリー・ベリャーエフ。もうひとりは、1958年から実際の飼育実験にたずさわった女性研究者リュドミラ・トルート―書の共著者でもある―だ。 うまくいく確証などまったくなかった、というよりは、無謀ともいえる研究だった。一般的に、動物の家畜化は長い年月をかけて少しずつ進むものだと考えられている。また、家畜化され

    ヒトは自らを家畜化したのか 『キツネを飼いならす 知られざる生物学者と驚くべき家畜化実験の物語』 - HONZ
    yotinakk
    yotinakk 2023/12/27
    良い話
  • うつ病やアルツハイマー病もそれと関係しているのか 『脳のなかの天使と刺客──心の健康を支配する免疫細胞』 - HONZ

    それは脳のなかの「天使」でありながら、ときには「刺客」へと変貌するという。書の主人公は、非神経細胞のひとつである「ミクログリア」である。 つい最近まで、ミクログリアは脳のなかの端役にすぎないと考えられていた。脳内の情報伝達を担うニューロンや、そのつなぎ役を務めるシナプスといった綺羅星たちと比べると、それが果たす役割はごく些末なものだと考えられていたのである。ところが近年、そうした見方は大きく変わりつつある。ミクログリアは脳のなかできわめて重要な役割を果たすとともに、それが誤作動を起こすと、わたしたちの健康に甚大な被害が生じることがわかってきたのだ。後者の例を言えば、うつ病や不安障害、あるいはアルツハイマー病なども、ミクログリアの誤作動と関係しているという。 書は、ミクログリアが脚光を浴びるに至った経緯と現状を物語るものである。そしてそのストーリーは、ふたつの糸が撚り合わさった形で進行す

    うつ病やアルツハイマー病もそれと関係しているのか 『脳のなかの天使と刺客──心の健康を支配する免疫細胞』 - HONZ
  • 『奴隷のしつけ方』奴隷を中州に捨てるべからず - HONZ

    『奴隷のしつけ方』と衝撃的なタイトルだ。著者はマルクス・シドニウス・ファルクスというようだ。古典なのだろうか。書を手に取り、パラパラとページをめくると違和感を覚える。マルクス・シドニウス・ファルクスとは何者なのか。記憶の糸を手繰る。しかし、思い出せない。書の帯には「何代にもわたって奴隷を使い続けてきたローマ貴族の家に生まれる。」とある。書店でスマートフォンを取りだし、検索してみる。ウィキペディアでも見つからない。謎は深まる。 答えを求めてページをめくる。翻訳者のあとがきを読んだとき、謎が解けた。 当の著者はジェリー・トナーという男だ。解説者として表紙に名前がある。ケンブリッジ大学の古典学研究者のようだ。そう、著者とされるマルクス・シドニウス・ファルクスとは架空の人物だ。書は古代ローマ帝国時代の奴隷という存在がどのようなものであったかを、架空の人物に語らせ、各章の末尾に物の著者トナ

    『奴隷のしつけ方』奴隷を中州に捨てるべからず - HONZ
  • 『出ない順 試験に出ない英単語』新刊超速レビュー - HONZ

    世の中には真の意味で、役に立たないというものがある。あらゆるは役に立たない、という議論もあるが、そんな深遠なことじゃなく、見た瞬間に役に立たないとわかる、ばかばかしさやくだらなさを乗り越え、「役立たずな方向」に、全力で、一生懸命、真剣に突き進むたちのことだ。最近なら『醤油鯛』もすばらしいが、ここにまた一冊、そんな愛すべきが誕生した。 試験に出ないのである。しかも「出ない順」である。 ちなみに最初の単語、すなわちもっとも出ない単語はsalmon carpaccioである。carpaccioって英語か、というツッコミは脇に置き、例文は下記だ。 Bob laughed so hard that the salmon carpaccio came out of his nose. ボブは笑い過ぎてサーモンカルパッチョが鼻から出ました。 皆さん、大事ですから暗記して下さい。 対象は大学受験

    『出ない順 試験に出ない英単語』新刊超速レビュー - HONZ
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