「代替医療」とはなんだろう?耳慣れないことばだ。ひょっとして日本語にはもともとないことばを新たに翻訳の都合で造ったのかもしれない。このことばの反対語は、「通常医療」だ。これは、いわゆる病院や町医者によって我々が受けられる西洋医学を主とした医療を指す。 この医療体系からはずれたものは、すべて「代替医療」だ。この言葉も一人歩きしそうな曖昧さをかかえている。「通常医療にかわる医療」をさすのか、あるいは「医療そのものにとって代わる何か」を指すのか。後者であれば、それは医療ではないことになり、最初から本書の著者たちあるいは「代替医療」に疑いの目を向けている側の意見を代弁していることになる。 だが、一般論から言えば、世の中には怪しげな理屈で高額な治療行為をおこなったり、うさんくさい機器や薬を売りつけるやからが後を絶たない。そういったものから逃れるすべがあるのなら、この種のなんらかの啓蒙書は必要なのかも