私がこの「極言暴論」で手を替え品を替えぶった切り続けてきたのは、ユーザー企業のIT部門や人月商売のIT業界の不都合な真実や不条理だ。連載を始めてから既に6年以上が経過した。よく書き続けてきたなと自分であきれるぐらいだ。 もちろん、それだけ日本企業のIT利活用やIT関連ビジネスがどうしようもないということの証左でもある。非効率極まりないシステム開発や保守運用、専門家集団から素人集団に落ちぶれたIT部門、技術者のキャリアを滅ぼす理不尽なIT業界の多重下請け構造、ご用聞きしかできずイノベーションを生み出せない人月商売のITベンダーなど、極言暴論のネタは尽きない。 なんでこんなに駄目なのかと言うと、根本的な理由が2つある。1つは、日本企業の経営者のITに対する理解がひど過ぎるからだ。もう「アホ」と言ってよいレベルだ。経営者がこれだからシステムは軽視され、IT部門の劣化が進む。結果、素人化したIT部